『Apex Legends』ディレクターChad Grenier氏がRespawnを退職。スタジオに見送られ円満な門出


Respawn Entertainmentは12月4日、『Apex Legends』にてディレクターを務めていたChad Grenier氏がスタジオを退職したことを発表した。 

Grenier氏は2003年、Activision傘下のInfinity Wardに入社。デザイナーとして7年間務めている。このころ、『Call of Duty』シリーズ第1作と第2作や『Call of Duty 4: Modern Warfare』『Call of Duty: Modern Warfare 2』に参加し、現在まで続くフランチャイズの始祖に携わった。その後2010年にRespawn Entertainmentが独立すると、Grenier氏もこれにともなって移籍。リードデザインスクリプターやデザインディレクターを務める。この間に『タイタンフォール』『タイタンフォール 2』を世に送り出したわけだ。そして2019年には『Apex Legends』のゲームディレクターに着任し、開発を先導してきた。 

Grenier氏は『Apex Legends』開発においてつねに前面に立つ役割を演じてきた。シーズン10開幕前には、オンラインショーケースEA Play Live 2021に出演。注目を集めるレジェンド・シアの能力を解説するなどして脚光を浴びた。ほか海外掲示板Redditでも姿を見せ、今後のゲーム内機能の実装や調整などについてユーザーに情報を開示することもしばしば。 

また社内事情を詳しく把握する人物としても知られ、2020年に『Apex Legends』開発チームの労働環境が取り沙汰された際は、率先して矢面に立ち、内部事情をユーザーに説明した。開発が苦境に立っているときも前線に立ち、シーズン7のバトルパス改変が問題になった際は、フィードバックを受けて調整した内容を自身のTwitterアカウント上で発表。ユーザーの理解を得るため、陰に陽に働いてきた人物だ。 
 

 
今回の発表に際し、Grenier氏はコメントを発表。長年勤め上げた開発チームと、『Apex Legends』コミュニティに向けて感謝の言葉を伝えている。Greniere氏によれば、『Apex Legends』は現在のチームに安心して託せるとのこと。また後任となるディレクターのSteven Ferreira氏については、これ以上適任な人材はないと太鼓判を押している。とくにスタジオを去るにあたっては、「子が巣立っていくような気持ち」「家族を置いていくような気持ち」と感慨を示した。後任のSteven Ferreira氏については、2003年よりElectronic Artsに入社し、業界経験を積んできた人物。Respawn Entertainmentには2019年入社。同年6月の『Apex Legends』ローンチ直後よりリーダーとして参加し、チームを引っ張ってきた。 

今回の退職は、Respawn EntertainmentのTwitterアカウントからも公式にアナウンスされるなど、祝辞を贈られている。過去のSNS発言がもとで退職したDaniel Zenon Klein氏や、突如退職を発表したRyan K. Rigney氏など過去スタッフと比べると、円満なムードでの退職といえそうだ。それだけゲームディレクターという職務をこなしてきた貢献は大きいのかもしれない。Grenier氏の次なる活躍に期待したい。