『スマブラSP』“最後のバランス調整”アプデ配信。全体的に強化調整、ただしホムヒカなど一部キャラはやや弱体化

任天堂は12月2日、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(更新データVer. 13.0.1の配信を開始した。なお同アップデートは、ゲームのバランス調整にかかわる最後の更新となる。

任天堂は12月2日、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)更新データVer. 13.0.1の配信を開始した。なお同アップデートは、不具合への対応などを除く、ゲームのバランス調整にかかわる最後の更新となる。


今回のアップデートでは、多岐にわたるファイターが調整対象となっている。ホムラ/ヒカリを1キャラと計算すると、23キャラに調整が入った。その多くが強化傾向にある。特に目立つのは、パックンフラワー・インクリング・クッパJr.・メタナイトあたりだろう。パックンフラワーは下強攻撃の判定時間増加やスキが減り、下空中攻撃のメテオ判定時間が伸びた。下必殺ワザはため状態や最速で攻撃に移行するまでの時間が減っている。横強攻撃のふっとばし力も増えており、やや使いづらかったワザが改善されている。
【UPDATE 2021/12/2 12:25】
パックンフラワーの下必殺ワザについて修正


インクリングは、なによりインク補充時のスキが減ったことが大きいだろう。生命線であるインクの取り回しがぐっと向上したわけだ。通常必殺ワザの弾距離伸ばしや、横スマッシュの攻撃力が強い範囲判定が増大されるなど、大幅な強化がはかられている。クッパJr.については、ダッシュと下強攻撃という、ややずれやすかった攻撃群が連続ヒットしやすくなっている。上スマッシュの攻撃力も上がっており、堅実な強化を受け取っている。

またメタナイトについては、空中攻撃の前・後ともに攻撃力が向上。上スマッシュ攻撃の攻撃範囲が広くなったほか、1段目や2段目ヒット時に相手が転倒しなくなった。空中での戦いや対空にさらなる強さがもたされているだろう。そのほか、ドンキーコングやアイク、アイスクライマーなど、さまざまなキャラが小規模な強化を受けている。またSparg0氏は持ちキャラクラウドの下必殺ワザ画竜点睛について、攻撃の出が速くなったことに注目しているようである。


一方で、弱体化されたファイターもいる。ホムラ/ヒカリとミェンミェンである。ホムラは横必殺技のスキが増えた。ホムラの横必殺技といえばブレイズエンド。炎の剣を飛ばし、相手との間合いをコントロールする重要ワザ。立ち回りにおけるキー攻撃であったが、スキが増えたことで以前より使いづらくなった。またヒカリは横スマッシュ攻撃のふっとばし距離が低下。ホムラ/ヒカリは最近海外の大会にて台頭が目立ってきたが、ここで下方修正が入ることとなった。


また、実装時より強いと評されており、これまでにも弱体化を受けてきたミェンミェンはさらに調整が入った。パンチのシールドに対する攻撃力を下げられたほか、通常空中攻撃の専用着地時のスキ増加。さらに横スマッシュ攻撃(ドラゴンビーム)の持続時間が減らされた。ミェンミェンの攻撃はリーチが長い上にシールド削りも強い特徴があったが、コアの部分が弱体化されたことになる。なお先日実装されたソラについては、ダウン中の一部モーションの長さを他ファイターに合わせられたのみで、調整としては微小な範囲に留まった。詳細については任天堂公式サイトを確認してほしい。

最後のアップデートでは、多くのファイターを強化しつつ、強いと評されていたファイターにやや弱点を付与する調整となった。「長所を残し、短所を増やす」と言及されていた調整チームおよび桜井政博氏の哲学がおおむね反映されたアップデートだろう。桜井氏も今回のアップデートに際してバランス調整完了を明言。現在のバランスに納得しているという旨のコメントを出している。


『スマブラSP』ではDLCファイターの追加も終わり、バランス調整も終了。不具合への対応などを残すのみとなった。開発としては本格的に区切りがつけられたわけだ。しかし、ファイターたちの戦いは終わらない。オン・オフともに腕利きの選手たちによる素晴らしい大会が開催され、またお茶の間で普通のプレイヤーたちの対戦も繰り広げられる。パーティーゲームとしても、ガチ対戦ゲームとしても、『スマブラSP』は末永く愛されていくだろう。

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。




※ The English version of this article is available here

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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