イラク戦争FPS『Six Days in Fallujah』2022年Q4に発売延期へ。波乱を呼んだ“元”開発中止シューター、人員拡充の構え
パブリッシャーのVicturaおよびデベロッパーのHighwire Gamesは11月17日、ミリタリーFPS『Six Days in Fallujah』の発売を2022年第4四半期(2023年1~3月)に延期することを発表した。本作はもともと、2021年後半のリリースを予定していた。あわせて、開発チームの人員を2倍に増員することも発表している。
『Six Days in Fallujah』は2004年にイラク・ファルージャで起きた戦いを描いたシューターだ。米国軍兵士とイラク民間人による過酷な市街戦が描かれている。実際の戦場にいた元兵士のナレーションが収録されており、現代戦におけるリアルなコンバットや、いつどこで攻撃を受けるかわからない緊張感が生々しく描き出されているという。
本作はかつて発表されたものの、兵士らの遺族の反対を受けて、当時パブリッシャーを担当する予定だったコナミデジタルエンタテインメントが撤退を表明。2009年には一旦お蔵入りになった。その後、2021年2月になってリブートが電撃発表された経緯をもつ。パブリッシャーVicturaのCEOであるPeter Tamte氏は、本作に政治的意図を含まないことを強調。またファルージャの戦いでおこなわれたとされる残虐行為や非合法的行為はゲームに含まれないとも述べた。一方で、同作のコンセプトを批判する声もあり、何かと波紋を呼んできた作品でもある。
VicturaのTamte氏は今回の延期発表に際してコメント。高いクオリティで、真実のストーリーを再現するには、より多くの人員と資本、時間が必要であるとわかってきたという。今回チームの人員を2倍とすることは、『Six Days in Fallujah』が新たな戦略的でエモーショナルな深みをミリタリーシューターにもたらすために、チームがおこなっている施策の一つに過ぎないとのこと。
本作はファルージャの戦いで深く負傷した海兵隊員によって考案され、100名以上の海兵隊員、陸軍隊員、イラク市民の助けを借りているという。『Six Days in Fallujah』はドキュメンタリーとゲームプレイを交えて、2004年のファルージャの戦いから真実の物語を再構築する、とスタジオは述べている。ゲームはプレイヤーに、軍人と民間人の双方の物語や奮闘を通じて、市街戦に対する深い理解をプレイヤーに与えるとしている。また開発元のHighwire Gamesには、『Halo』シリーズや『Destiny』シリーズに携わった多くのメンバーが参加していることも改めて触れられた。
なお本作は当初のゲーム内容記述にて、「1968年以来のもっとも過酷な市街戦でアルカイダと戦った海兵隊員、兵士、イラクの民間人の実話を再現する」と表記していたが、3月23日の時点で「アルカイダ」への言及をストアページから削除したようだ(SteamDB)。批判の声も踏まえ、センシティブな要素を極力排除したい意図があったのかもしれない。
『Six Days in Fallujah』は2022年第4四半期(2023年1~3月)にSteamおよびコンソールにて発売予定だ。