YouTubeにて「低評価数」が非表示化へ
YouTubeは11月11日、同プラットフォームにて今後、動画の「低評価数」を非表示にすることを発表した。低評価ボタン自体は今後設置され続ける。変更は本日より段階的に開始されるとのことだ。YouTubeにてHead Creator Liaisonを務めるMatt Koval氏が動画で説明している。
YouTubeによれば、同プラットフォームは2021 年の前半、YouTube は低評価数を非公開にするテストを実施。今年7月にYouTube 全体で低評価攻撃が減少するかどうかを分析したところ、低評価攻撃の減少が見られたという。またYouTubeの調査によれば、低評価攻撃は小規模なチャンネルにおいて、より高い割合で発生することが確認されているという。今回の実験を踏まえ、低評価数を非公開にすることは、こういった小規模なチャンネルのクリエイターを守ることにつながると判断されたようだ。
今回の実験にあたっては、いくつかユーザーからの疑問も寄せられた。たとえば、低評価数を閲覧できない場合、ユーザーはどうやって動画の有用性を判断すればいいのかについて。本件についてはすでに検討が進められており、数百万の動画や視聴者の動向を調査したところ、低評価数の表示/非表示によって、ユーザーが動画を視聴するかしないかは、変化しなかったという。低評価数を表示するか否かによってユーザーの視聴体験が変わることはないとの見立てだ。
また、クリエイターがバックグラウンドで低評価数を確認できるのであれば、表立って低評価数を表示しなくとも攻撃は可能なのではないかという声も。しかしKoval氏は、公共の場に低評価数を表示しないことによってクリエイターのストレスを緩和できるとの見解を伝えている。
なお、クリエイターは引き続き、YouTube Studioを通じて自身の動画の低評価数を確認することができる。また視聴者は自身のおすすめ表示を調整するために低評価をつけたり、クリエイターに個人的にフィードバックをシェアしたりすることが可能だという。YouTubeは、クリエイターが自身を表現するうえで安全だと感じ、成功する機会を得られるように、インクルーシブで敬意ある環境を構築していきたい考え。今回の施策は、クリエイターをハラスメントから守るために継続する数あるステップのうちの一歩目にあたるという。YouTubeは今後も同様の取り組みを続けていきたいとのこと。
YouTubeの低評価数は、ゲーム業界でも何かと話題になりやすいトピックだ。たとえば直近でいえば、任天堂の公式チャンネルが“低評価爆撃”を受けた(関連記事)。「Nintendo Switch Online + 追加パック」のサービス開始日や加入料金などを伝える北米向け動画にて、高評価が1万8000件に対し低評価数は11万件におよぶ。
同サービスは、加入料金の割高感や、サービス開始後に判明した NINTENDO 64タイトルの最適化不足などが、ユーザーの反発を集めた。そういった不満のはけ口が、告知動画の低評価へと向けられてしまっているわけだ。YouTubeで高まった低評価数が注目を集め、ニュース化されるということも珍しいことではない。低評価数の非表示化が進めば、こうしたユーザーの声がヒートアップする光景を見ることは減りそうだ。
YouTubeの低評価数の非表示化は、本日11月11日より段階的に進められる。