EnFi株式会社は11月1日、アーリーステージの海外ゲームスタートアップ企業に投資するファンド「EnFiグローバルイノベーティブテクノロジーファンド(正式名:EnFiグローバルイノベーティブテクノロジー匿名組合/以下、本ファンド)」を組成したと発表した。日本初となるゲーム特化型ファンドだという。
EnFiは、かつてソニー・コンピュータエンタテインメント(現SIE)にてPlayStationのTools&Middleware Programを担当し、その後外資系運用会社の証券アナリストとしてゲーム業界調査などに従事した実績をもつ、垣屋美智子氏が代表を務める企業。業界先端のトレンドを抑えた投資活動のほか、大手企業の経営戦略策定や海外事業展開、オープンイノベーションの取り組みをサポートしているとのこと。
また、資本提携を含む事業開発の機会を投資家へ提供することも目指しているという。今回その一環として、事業会社にエンタテインメント事業に関わるテクノロジーやサービスへの投資機会を提供するため、海外ベンチャーキャピタルファンドとパートナーシップを組み、国内にてファンド化する取り組みを推進するとした。
「EnFiグローバルイノベーティブテクノロジーファンド」として国内にてファンド化することによって、国内ではアクセスの機会が少ない海外ベンチャーキャピタルファンドや海外スタートアップへの投資機会を事業会社に提供するだけでなく、海外投資案件でありながら、国内ファンドとして日本語で投資してもらえる仕組みを構築できたとのこと。また、投資後の投資先ファンドや企業とのコミュニケーションや協業検討においても、EnFiが国内にてサポートするとしている。
ゲーム特化型ファンドの強みとしては、業界内で資金およびノウハウが循環しながら成長できるエコシステムにあるとし、近年ゲームセクターにおいてユニコーン企業(評価額10億ドル以上のスタートアップ)が誕生している背景にもゲーム特化型ファンドの存在があるとのこと。ほかに、以下の3点が挙げられている。
1:業界出身の起業家が代表パートナー(GP)をおこなうことで、最先端技術やサブセグメントを理解でき、またクオリティの高いソーシングネットワークが構築できる
2:業界出身者のGPならではのゲームに特化したインキュベーションが可能
3:GPだけでなくファンドの出資者(LP)も業界関係者であることにより、資本提携やM&Aが実現しやすく、またExitをした起業家が連続起業の機会を得られる
第1号となる投資先としては、Sisu Game Venturesファンドが発表された。同社は、世界初のゲーム特化型ファンドのひとつであり、ゲーム業界の連続起業家3名が代表パートナーを務めているという。北欧を拠点に、グローバルにゲームテクノロジーやゲームサービスに関わるスタートアップ企業に投資をおこなっており、世界トップクラスの投資社数と、ゲーム制作だけでなく配信プラットフォームやデータセンタ効率化など、多様なゲーム関連サブセクターへの投資を誇るそうだ。特に、シード~アーリーステージでの投資に強みがあるとのこと。EnFiは、投資リターンと共に、本ファンドの出資者の事業展開支援の一環となると考えていると述べている。
「EnFiグローバルイノベーティブテクノロジーファンド」の詳細および問い合わせ先などについては、公式サイトを確認してほしい。