Nintendo Switch Onlineの新プランの海外向け紹介映像が、任天堂公式チャンネルでの“低評価数”記録を更新。時間が経っても不評拭えず

任天堂が今年10月26日からサービスを開始した、Nintendo Switch Onlineの新料金プラン「Nintendo Switch Online + 追加パック」。同プランの紹介映像が、同社のYouTubeチャンネル史上もっとも多くの低評価を集めていると話題のようだ。

任天堂が今年10月26日からサービスを開始した、Nintendo Switch Onlineの新料金プラン「Nintendo Switch Online + 追加パック」。同プランの詳細は10月15日に発表されたが、北米向けのその紹介映像が、同社のYouTubeチャンネル史上もっとも多くの低評価を集めていると話題のようだ。海外メディアVGCが報じている。

https://www.youtube.com/watch?v=fNsGXJ6Cl00


上に掲載したのが、問題の紹介映像である。内容としては、「Nintendo Switch Online + 追加パック」のサービス開始日や加入料金のほか、加入者が利用できるNINTENDO 64やメガドライブのゲーム、『あつまれ どうぶつの森』の有料追加コンテンツ「あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス」が紹介されている。基本的に、日本向けに放送されたものと同じだ。

この映像の視聴者評価は、本稿執筆時点で高評価が約1万7500件であるのに対し、低評価は約11万5000件。任天堂の北米向けYouTube公式チャンネルでは、これまで『メトロイドプライム フェデレーションフォース』のトレイラーがもっとも多くの低評価を集めているとして知られ、現時点で低評価約9万7000件(高評価は約1万1000件)となっているが、「Nintendo Switch Online + 追加パック」の紹介映像が、この記録を塗り替えることとなった。

『メトロイドプライム フェデレーションフォース』は、2016年にニンテンドー3DS向けに発売されたマルチプレイ対応FPS。『メトロイド』の世界観をベースにした作品だが、E3 2015での発表時には、同シリーズらしいシングルプレイの探索要素がないこと(のちに追加)や、主人公サムスの不在などが明らかになりファンの不評を買った。『メトロイド アザーエム』から6年ぶりにようやく発売された新作が、スピンオフ的な作品となったこともファンは不満だったようだ。日本版のトレイラーでも、高評価の2倍以上の数の低評価が投じられている。


「Nintendo Switch Online + 追加パック」の紹介映像に話を戻すと、YouTubeのコメント欄を見てみると、映像公開当時の低評価の理由は、主に加入料金への不満にあることがうかがえる。同プランの加入料金は、日本では12か月4900円(個人プラン)。基本プランとの差額2500円(年額)にて、NINTENDO 64タイトル8本と、メガドライブタイトル14本、そして今年11月からは『あつまれ どうぶつの森』のDLCを、追加サービスとして利用できる。

追加サービスの内容に照らして、妥当な価格設定だと感じる人ももちろんいるだろうが、そうは思わないという人がかなり多かったようだ。基本プランとは異なり、1か月単位で加入できない点も、割高感に繋がった可能性があるだろう。

一方、10月26日のサービス開始後には、また別の不満要素が浮上する。同プランにて遊べるNINTENDO 64タイトルについて、入力遅延が大きかったり、動作が不安定だったりなどの最適化不足が指摘されているのだ。また、キーコンフィグの自由度が低いことで、同サービス向けに発売された復刻版NINTENDO 64コントローラー以外では、遊びにくい場合があるという声も聞かれる(関連記事)。こうした不満も、先の紹介映像の評価に跳ね返っていき、ついに任天堂の北米向けYouTube公式チャンネルでの、低評価数記録更新に結びつくこととなってしまった。


今回の紹介映像は、日本版においても高評価約9400件に対し低評価約7300件と、かなり低評価が多い状況だ。また、イギリス・フランス・ドイツ・スペイン・オーストラリアなど、ほかの国向けの公式チャンネルにおいても、同様に非常に多くの低評価が投じられている。

北米向けの公式チャンネルではもともとNintendo Switch Onlineに対して厳しい評価がくだされやすく、たとえばNintendo Switch Online向けファミコン・スーパーファミコンの追加タイトルの紹介映像が公開されるたびに、タイトルによっては低評価が集中。ファンの容赦ない反応が見られる特徴があったが、今回の「Nintendo Switch Online + 追加パック」においては、幅広いユーザーが不満を感じていることがうかがえる。

ゲームサブスクリプションサービスにおいて、追加サービスを提供する上位プランが用意されること自体は珍しいものではない。「Nintendo Switch Online + 追加パック」の加入料金への不満の声も聞かれるが、任天堂はNINTENDO 64およびメガドライブタイトルを追加していくとしているため、同プランの価値は時間とともに高まっていくだろう。他サービスのように、今後さらなる追加サービスが提供される可能性もあるかもしれない。一方で、指摘されているNINTENDO 64タイトルの最適化などについては、早急な解決を期待したいところである。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

記事本文: 6874