美麗ドット絵ADV『Backbone』日本語対応。アライグマの探偵がディストピアを奔走するポスト・ノワール風サスペンス


Raw Furyは10月28日、アドベンチャーゲーム『Backbone』にて新たに日本語を含む9言語に対応すると発表した。ゲーム内の字幕とインターフェースがローカライズされている。 
 

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『Backbone』はドット絵で描かれるアドベンチャーゲームだ。擬人化された動物たちによる、ポスト・ノワール風の冒険物語が綴られる。主人公はアライグマの私立探偵、ハワード・ローター。とあるきっかけから不運な状況に巻き込まれた彼は、キャリアで経験したなかでももっとも難しい事件の謎を解くこととなる。ゲームプレイとしてはストーリーテリングと感情表現に焦点が当てられており、さまざまな対話とステージの探索によって物語が進行する。 

ハワードは事件を調査するなかで、さまざまな種族の動物たちと関係性を結ぶこととなる。選択肢を通じて対話を進めることで、彼のアイデンティティが徐々に形成されていくのだ。ときに「存在と喪失」という哲学的な苦悩を抱えつつ、プレイヤーが選ぶ内容によってハワードの個性が定められていく。 
 

 
『Backbone』の舞台となるバンクーバーは、危険が潜むディストピアだ。美しくも退廃的な都市の様相が、精細なピクセルアートで描かれる。冷たく思いやりのない街ではあるものの、ときには住民との絆が芽生えることもあり、希望がまったくないわけではない。演出としてはダイナミックな照明効果を活用しつつ、土砂降りの雨、立ち込める霧、ネオンの明かりなどの3D効果が舞台美術を彩る。また収録されたサウンドトラックは、本作のために書き下ろされた楽曲群となっている。 

今年6月に発売された『Backbone』は、本稿執筆時点で800件以上のSteamストアレビューが寄せられた。そのうち高評価は58%で、ステータスとしては「賛否両論」の状態となっている。評価を分けた原因の一つとしては、デモ版として無料配布されているプロローグと本編の内容の相違があったようだ。プロローグにおいては選択肢による分岐やパズル要素などが存在。一方本編では分岐によるストーリー変化がほとんどなく、パズル要素も見られない。そのため、デモ版の内容を気に入って購入したプレイヤーにとっては「思っていたのと違った」という評価になってしまったようだ。
 

 
一方で、多くのユーザーレビューにおいて、美麗なピクセルアートや世界観は大きな評価を獲得している。本作のビジュアルや雰囲気に惹かれたプレイヤーからはポジティブな反響を得ているようだ。『Backbone』の英語はスラングも多く、また動物の種族名なども交えたくだけた文章となっているため、非英語ユーザーにとってはこれまでプレイしにくい状況が続いていた。このたび晴れて日本語に対応したことで、本作のポスト・ノワールな物語を味わいやすくなっている。 

『Backbone』はPC(Steam)/海外Playstation 4/Xbox One向けに発売中。Steamでは現在ハロウィンセールを実施中で、通常価格2570円のところ25%オフの1927円で販売中。Xbox One向けには定価2900円で販売されているほか、Xbox Game Passにも提供されている。