VRデバイスOculus Quest 2などが、Facebookアカウント不要で利用できるように。2022年内にも新たなログイン方法を提供へ
Facebook社は10月29日、開発者向けイベント「Connect 2021」を開催し、社名を「Meta」に変更することを正式に発表した。同社は、現在のさまざまなオンライン上でのソーシャル体験を掛け合わせたような体験“メタバース”の創出を掲げており、これを社名に反映させたかたちとなる。
イベントでは、VRデバイスOculus Quest 2向けの今後の展開などについてもさまざま発表。VRは、メタバースにアクセスするためのもっとも没入感の高い方法であることから、OculusブランドについてもMetaブランドへと置き換えていくという。そして、Quest 2などを利用するために必須だったFacebookアカウントについて、今後不要とする方針も示された。
FacebookあらためMetaのCEO Mark Zuckerberg氏はイベントにて、Questユーザーからのフィードバックを受けて、ユーザー個人のFacebookアカウント以外のアカウントを使用して、Questにログインできるようにするとコメント。また、AR/VR担当バイスプレジデントのAndrew Bosworth氏は、Facebookアカウントを必要としない新しいログイン方法については、もっとも優先度の高い項目のひとつとして現在取り組んでいるところだとし、来年のいずれかの時期には提供できるだろうと説明した。
VR事業を手がけるOculusは、2014年にFacebook社に買収され傘下入り。ユーザーは、従来はOculusアカウントにて製品を利用できたが、昨年10月のスタンドアロン型のVRデバイス「Oculus Quest 2」の発売をきっかけに、Facebookアカウントでのログインに移行。Oculusアカウントについては2023年にサポートを終了するとし、既存ユーザーもFacebookアカウントにアカウントを統合するよう求められた。
この決定には、Oculusは一部ユーザーから大きな批判を浴びることに。その背景には、Facebookユーザーのプライバシーなどにおける取り組みや姿勢について、Facebook社がかねてより批判にさらされていたことがあるようだ。またOculus Quest 2において、ユーザーのFacebookアカウントがなぜか停止され、利用できなくなるトラブルが続出したことも記憶に新しい。
Zuckerberg氏が述べたユーザーからのフィードバックとは、こうした出来事を指しているのだろう。新しいログイン方法がどのようなものになるのかはまだ分からないが、来年には提供開始されるとのことで、誰もが利用しやすいものになることが期待される。
なおイベントでは、『グランド・セフト・オート:サンアンドレアス』のVR版や、中世ファンタジーゲーム『Blade & Sorcery: Nomad』が、Oculus Quest 2向けに発表。また、『Arizona Sunshine』などで知られるVertigo GamesがVRゲーム5作品を開発中だとし、そのなかにはグループ会社のDeep Silverの人気作に関連したゲームも含まれることなども明らかにされた。