Nintendo Switch Onlineの新プランに批判の声集まる。N64タイトルの入力遅延や安定性への不満に、価格設定が絡まる

任天堂は10月26日、Nintendo Switch Onlineの新料金プラン「Nintendo Switch Online + 追加パック」のサービスを開始した。しかしNINTENDO 64タイトルについては、その動作に一部不満の声が寄せられているようだ。

任天堂は10月26日、Nintendo Switch Onlineの新料金プラン「Nintendo Switch Online + 追加パック」のサービスを開始した。同プランでは、Nintendo Switchゲームのオンラインプレイや、セーブデータお預かり機能などを利用できる基本プランの内容に加えて、NINTENDO 64やメガドライブのゲームも楽しめる。

懐かしいタイトルの数々をNintendo Switchで遊べるとあって、発表以来ファンからの注目が高かったサービスであるが、NINTENDO 64タイトルについては、その動作に一部不満の声が寄せられているようだ。海外メディアVGCなどが報じている。


「Nintendo Switch Online + 追加パック」加入者がプレイできるNINTENDO 64タイトルとしては、現時点で『スーパーマリオ64』や『マリオカート64』『スターフォックス64』など計8タイトルが提供中。スピードランプレイヤーとして知られるZFG氏は、収録タイトルのひとつ『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の検証動画を投稿した。同氏は、Nintendo Switch版では入力遅延が大きいうえ、入力感度も高くなっているとし、これらが組み合わさった操作性は非常に悪いと苦言を呈している。なお、入力遅延の度合いはタイトルによって異なるとのこと。

また、同作に限らず、NINTENDO 64コントローラーでのCボタンの4つは、Joy-Conなどでは右ステイック、あるいはZRボタンとABXYボタンを組み合わせて入力するかたちにマッピング。前面ボタンの数が足りないことによる苦肉の策と想像されるが、ZFG氏は奇妙な配置だとコメント。この点については、ユーザーが独自に配置を設定できるよう求める意見が、コミュニティ内ではみられる。

ZFG氏はほかにも、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』をオリジナル版とWiiのバーチャルコンソール版と比較し、Nintendo Switch版では霧などのエフェクトが抑えられているとコメント。Nintendo Switch版での空気感の演出に物足りなさを述べている。この点について、ゲームの技術解析で知られるDigital FoundryのJohn Linneman氏は、『スーパーマリオ 3Dコレクション』で使用されたエミュレーターをベースにしているのではないかと指摘している。


『マリオカート64』など、オリジナル版がコントローラパックに対応していたタイトルでの、奇妙な挙動も報告されている。コントローラパックとは、ゲームデータを保存するための周辺機器で、オリジナル版ではコントローラー背面にある拡張コネクタに接続して使用するが、今回復刻されたNINTENDO 64 コントローラーには拡張コネクタは存在しない。

ただ、たとえばNintendo Switch版『マリオカート64』では、コントローラパックを認識できないため、ゴーストデータを保存できないというメッセージが表示されるのだという。すなわちゴーストデータの保存ができないようだ。また、『WIN BACK』はコントローラパックを使ってゲームの保存をおこなうタイトルだったが、Nintendo Switch版での進行状況の保存は「どこでもセーブ」機能を利用するほかない。

このほか、フレームレートの断続的な低下も報告されている。一部では、ほかのプレイヤーとのオンライン接続の同期が不安定であることが原因だとする指摘がみられる。以下の映像では、動作のカクつきはサウンドにも影響が及んでいることが分かる。


NINTENDO 64タイトルの動作の問題については、ここに挙げたものを含めさまざま報告が上がっており、一部のファンからはサービスへの不満の声も聞かれる。その背景には、「Nintendo Switch Online + 追加パック」の加入料金もあるかもしれない。

同プランは、基本プランとは異なり月額料金は存在せず、12か月4900円(個人プラン)という年単位でのみ加入可能。基本プランとの差額2500円(年額)にて、NINTENDO 64やメガドライブのゲームが遊べるようになり、さらに今年11月配信予定の『あつまれ どうぶつの森』の有料追加コンテンツ「あつまれ どうぶつの森 ハッピーホームパラダイス」も利用できる。

こうした追加サービスが、上述した加入料金に見合っているかどうかは人によって意見は異なるだろう。ただSNSやフォーラムでは、月単位で加入できない点を含め、少々高いとこぼすゲーマーも少なからず見かける。また、YouTubeに投稿された同プランの公式紹介映像には、海外版では好評の5倍以上の不評が投じられ、コメント欄では価格への言及がみられた。それでも加入を決めたユーザーとしては、追加サービスには高いクオリティを期待していただろうが、さまざまな問題が浮上することとなってしまった。

現時点では、こうした問題にどのように対処するのか、任天堂は特に態度を明らかにしていない。加入者が満足できるサービスとなるよう、早期に改善がおこなわれることを期待したい。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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