GameWithは10月26日、株式会社DetonatioNの株式を取得し、同社を子会社化したことを発表した。これにより、プロゲーミングチームDetonatioN GamingもGameWith傘下に入ることになる。なおGameWithが公開したIR資料によると、株式取得の概算額は2億5317万円ほどとなっている。
DetonatioN(現:DetonatioN Gaming)は、2012年に立ち上げられたプロゲーミングチーム。『Counter-Strike Online』チームとして活動が始まり、『League of Legends』や『World of Tanks』部門を設立し、徐々に規模を拡大。日本屈指のチームとなった。また2015年2月には日本では初となるフルタイム・給与制を導入。2016年3月にはチーム所属外国人選手のアスリートビザ取得をサポートするなど、日本のeスポーツシーンを牽引してきたチームである。なお直近の売上高としては、2019年3月期は約1億8000万円、2020年3月期は約2億3000万円、2021年3月期は約3億1000万円と成長を続けている。
一方のGameWithはゲーム攻略系サイトを抱える企業だ。ゲーム攻略とゲーム紹介、動画配信の3つを軸として展開。それらから生まれる広告収益を収入源としている。サイト群はSEOへの最適化などにも強みをもっており、Googleなどで「ゲームのタイトル名」と「攻略」といった組み合わせで検索をし、GameWithにアクセスしたことがある人もいるだろう。
サイト規模予測サイトSimilarWebでは、GameWithの月間訪問数は1億3400万ほどとされており、国内のゲームサイト1位。トラフィックについては、その52%が検索からであると予想されている。売上高としては2018年5月期が約26億円、2019年5月期が約31億円、2020年5月期が約29億円。TVCMなども放映し女優の本田翼さんを起用するなど、企業としての好調・活発ぶりが推察される。
GameWithはeスポーツ事業も推進しており、プロゲーマーやストリーマーを抱えている。『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの人気プレイヤーであるザクレイ氏や、『フォートナイト』人気プレイヤーのNephrite氏もGameWithに所属している。プロゲームチームGameWithとDetonatioN Gamingは独立して活動すると予想されるが、同事業については層が厚くなったことだろう。
GameWithは今回の子会社化の理由として、「拡大が期待されるeスポーツ市場において事業成長を加速させることが可能になる」 ことをあげている。動画配信に強みを持つGameWithの e スポーツ事業と 、DetonatioN の競技シーンにおけるプロe スポーツチームの運営などを組み合わせることで、グループとしてさらに成長できると見込んだようだ。経営基盤が安定したDetonatioNとしては、競技シーンにさらに集中できると予想される。両社の間にどのような相乗効果が生まれるのか、注目されるところである。