今年10月20日、『The Bornless』なるマルチプレイ・ホラーゲームが発表され、一部で注目を集めているようだ。開発元の素性は明確にはされていないものの、映像作家のAaron Wheeler氏などがプロジェクトに携わっている模様である。ホラーゲームのススメが伝えている。
『The Bornless』は、NFTを用いたマルチプレイ・ホラーゲームになるようだ。本作には複数のゲームモードが用意され、そのうちNFTを使ったトーナメントモードが、もっとも特徴的なものとなる。NFT(Non-Fungible Token・非代替性トークン)とは、デジタルデータに複製できない所有権を付与する技術のこと。本作においては、登場キャラクターに関する665種類のNFTアイテムが8つのコレクションに分けてリリースされ、その所有者となったユーザーがトーナメントに参加可能。2人チームを組んで対戦し、最後まで勝ち残ったチームに報酬として666番目のNFTアイテムが提供されるという。トーナメントは定期的に開催されるようだ。
トーナメントモードでは1試合に3組のペアが参加し、セーフハウスを起点にステージとなる森を探索し、ナイフや銃を使って戦う。森は暗く静かな環境となっており、ランタンの光や足音、発砲などによって、相手の位置を特定可能。あらゆる行動に注意を払わなければならない。また、森のなかには地下墓地が存在し、そこはトラップなどの危険であふれているが、リスクに見合うだけの報酬を得られるという。
この森にはほかのプレイヤーだけでなく、悪魔オロバスも存在しプレイヤーを襲う。遠くからその姿を確認するには、ランタンに火を灯す必要があるそうだ。そして接近されると、強力な攻撃を放ってくる。オロバスは倒すことはできず、ただ走って逃げることも不可。危機を脱するには、オロバスの習性を把握して対応することが求められる。
また、森では“お香”を発見し、それをセーフハウスに持ち帰って焚き、オロバスに捧げることが可能。オロバスは、お香を捧げた数がもっとも少ないペアを優先して追跡する。どのペアがどれだけのお香を捧げたかはお互い知り得ないため、常にお香探しを並行して進めることになるだろう。そうして最後まで生き残ったペアが勝利だ。あるいは制限時間が過ぎた場合も、その時点で試合終了となる。
トーナメント以外のゲームモードとしては、8人チームで協力してオロボスを倒すことを目指すモードや、ランダム生成される地下墓地をステージに、回復アイテムなどを探しながらモンスターと戦うサバイバルモードも用意されるとのこと。
本作はまだまだ謎が多いタイトルであるが、公式Discordサーバーにてコミュニティを構築し謎解きイベントをおこなうなどしている。現時点で情報を限定しているのは、本作の世界観に合わせた意図があるようにも感じられる。とはいえ、多くの参加者を集めてトーナメントを盛り上げるには、ローンチまでには開発元の素性を含め透明性を高めることが求められそうだ。
『The Bornless』の配信時期は未定。上述のPvEモードではSteamの実績を獲得できると案内されているため、対応プラットフォームはPC(Steam)となるようだ。またNFTアイテムの取引は、NFTマーケットプレイスOpenSeaを通じておこなう模様である。
ただ、Steamを運営するValveは先日、「NFTの発行や交換を許可するブロックチェーン技術に基づいて構築されたアプリケーション」の配信を認めないと開発者向けに通知(関連記事)。本作の仕組みがこれに該当するかどうかはまだはっきりしないものの、場合によってはほかのプラットフォームに移行せざるを得ないかもしれない。
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