Nintendo Switch向けホラーゲーム『殺しの館』、「アイコン」まで怖いと一部で話題。国内では配信停止中の問題作


デベロッパーのPuppet Comboは10月14日、『殺しの館(Murder House)』を、Nintendo Switch/Xbox Oneおよび海外PlayStation 4向けに配信した。本作は、SteamにてPC版が昨年配信され、ユーザーレビューにて「圧倒的に好評」を獲得したサバイバルホラーゲームだ。

本作は、おぞましいホラー描写が特徴のひとつ。ただ、ゲーム内にとどまらず、Nintendo Switchのホーム画面に表示される本作のゲームアイコンまで「怖すぎる」として、一部で話題になっているようだ。


『殺しの館』は、とある町の地元テレビ局が幽霊屋敷の番組を制作するため、連続殺人犯アンソニー・スミスの古い廃屋へと侵入するサバイバルホラーゲーム。その殺人犯は“イースターの切り裂き魔”の異名をもっており、すでに処刑されたはずであるが、プレイヤーはウサギの着ぐるみを着た殺人鬼に追われることとなる。

本作は、PS1時代を彷彿とさせるグラフィックを採用し、ブラウン管風などのフィルタも用意。いま見るとチープな印象を受けるかもしれないが、かえって本作のホラー描写を際立たせることに繋がっているといえるだろう。そしてNintendo Switch版では、ホーム画面のアイコンでもユーザーを恐怖に陥れている。


Nintendo Switch版のアイコンに使われているのは、殺人鬼の着ぐるみのウサギ顔だ。ゲーム内では、鎌で人を惨殺する恐ろしいキャラクターだが、真っ黒に塗りつぶされた目から血の涙を流しているかのような、独特のタッチの絵柄のアイコンもまた身の毛がよだつ。ユーザーをプレイ前から怖がらせるには十分だろう。

Nintendo Switchのホーム画面のゲームアイコンには、一般的にはゲームのキーアートなどとともに、ゲームタイトルのロゴも配置することが望ましいとされる。たくさんのゲームのアイコンが並ぶなかで、一目でどういったゲームかを判別できるためだ。ただ、『殺しの館』はロゴも何もなくウサギのどアップと、かなりのインパクトである。

SNS上では、『殺しの館』を購入したらこのアイコンがホーム画面に現れ、思わぬジャンプスケア体験となったと語る人などがいる。また、上述したような“行き届いた”デザインのアイコンではないため、開発元Puppet Comboに別のデザインへと変更するよう求める人もいるが、これに対して同スタジオは「No」と短く回答。ユーザーを怖がらせようと狙ったのかどうかは分からないが、こだわりのあるアイコンのようだ。


なお本作については、日本ではNintendo Switch/Xbox One版が10月14日に配信開始。新たに日本語表示に対応しているとして一部で話題になったが、10月19日になってNintendo Switch版のみストアから削除された。本稿執筆時点で開発元Puppet Comboからは特にアナウンスはなく、なぜ取り下げられたのかは不明。
【UPDATE 2021/10/20 20:15】
配信停止日を19日に訂正

考えられる理由としては、本作のレーティングが関係していそうだ。本作は、ダウンロード専用ゲームを対象とするレーティング団体IARCにて審査を受け、「16+(16歳以上対象)」の年齢区分を付与され配信開始した。しかし、現在Microsoft Storeを確認すると「18+(18歳以上対象)」となっている。また年齢区分決定の根拠として、以前は「激しい暴力」と表記されていたが、現在は「過激な暴力」「激しい言葉づかい」と記載。どうやら配信後に再審査され、レーティングが変更されたようだ。

Nintendo Switchの国内ニンテンドーeショップでは、昨年9月からIARCレーティングの使用がメーカーに解禁された。ただ、実は一定以上の年齢区分にレーティングされた場合は、任天堂から配信の許可が下りない(関連記事)。今回の事例から、「18+」がその配信不可対象となるレーティングにあたる可能性があることがうかがえる。ただ先述したように、本作の国内Nintendo Switch版が配信停止となった本当の理由は、現時点では不明である。現在Puppet Comboに理由を問い合わせており、回答があり次第追記する。

『殺しの館(Murder House)』は、PC(Steam)およびXbox One向けに国内配信中だ。




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