『あつまれ どうぶつの森』に追加される新住民の“性別考察”が熱い。限られた情報でおこなわれる深すぎる推理

『あつまれ どうぶつの森』への登場が予告されている新住民たちがホットトピックとなっているようだ。ミッチェルをはじめ新住民の性別を『あつまれ どうぶつの森』ファンが考察している。

あつまれ どうぶつの森』への登場が予告されている新住民たちがホットトピックとなっているようだ。任天堂は10月15日、「あつまれ どうぶつの森 Direct 2021.10.15」を放送した。このなかで、11月5日に配信予定の大型無料アップデートついて告知。同日配信される有料追加DLC「ハッピーホームパラダイス」とあわせて、多数のコンテンツ追加が告知された。 

数多くの新要素が予告されるなか、島民たちの心をざわつかせたのが新住民の予告だ。今回の映像では、これまで登場しなかった住民たちが各シーンにてちらりと顔出し。さらに「どうぶつの森amiiboカード 第5弾」の告知に合わせて、新規&復活住民がずらりとラインナップされた。タクミライフで働くニコやナッティーに加え、貴重なタコ住民のギーガー、夜空模様のしっぽがキュートなスピカなど、個性的な面々が揃っている。 

いずれの住民もそれぞれに注目を集めるなか、とりわけ話題となっている1人が「ミッチェル」だ。ミッチェルは、ミントグリーンの毛並みが鮮やかなウサギ住民。誕生日は5月19日であるようだ。最大の特徴は、うるうると光る大きな目。『あつまれ どうぶつの森』のウサギ住民といえば、初代から登場するリリアンや、姉妹で「けけアイドル」ジャケットを飾った片割れのクリスチーヌなど、根強い人気を誇る住民が存在する。いずれもキラキラした瞳を特色としており、ミッチェルもそれに続くキュートな住民として注目を集めているのだ。 
 

 
ところがミッチェルについて、ある議論が存在する。それはジェンダーの問題である。国内にて『あつまれ どうぶつの森』における住民のジェンダーは、一人称が「わたし/アタイ/アタシ/ウチ」である場合に女性、「オイラ/ボク/オレ」である場合に男性であると捉えられている。ミッチェルは発表当初、長いまつ毛や大きな瞳といった特徴から、クリスチーヌやリリアン同様「アタイ系」住民であると見られたようだ。とはいえ、「キュート」系の服を好む両者と異なり、ミッチェルの装いは青いスタジャンと「クール」系の趣。ファッションが異なれば性格も異なる可能性があり、先述の両者とは一人称が異なる場合もあるだろう。   

さらに議論を盛り上げているのが、公開されたamiiboカード一覧における配置だ。下記画像を確認すると、左上のニコからシオンまでは次回アップデートで新登場する住民。のぶおからマーチにかけては旧作に登場した住民のカムバックとなっている。そして既存住民の並びを見てみると、「オイラ/ボク/オレ」住民と「わたし/アタイ/アタシ/ウチ」住民が交互に並んでいるのである。この並びで辿っていった場合、ミッチェルは「オイラ/ボク/オレ」いずれかに該当する住民である可能性が高いのだ。 
 

配置から、性格も推測可能とする声もある。 

 
一目でジェンダーを判じることが難しいミッチェルのデザインは、任天堂の意図である可能性もありそうだ。というのも、海外版におけるミッチェルの名称は異なっており、英語/イタリア語版では「Sasha」、フランス語版では「Alix」、スペイン語版では「Ariel」となっている。いずれも両性において用いられる名前であり、名前からジェンダーを判断されることを避けようとした可能性もあるかもしれない。ちなみに国内版の「ミッチェル(Mitchell)」は姓または男性名に多く用いられる呼称である。 

いずれにしてもミッチェルは、一目で「男性/女性である」とバイナリー的に判断できる存在ではないことは確かだ。また「オイラ/ボク/オレ」「わたし/アタイ/アタシ/ウチ」のいずれかであると判明しても、シスジェンダーであるかトランスジェンダーであるか、はたまたノンバイナリーであるかは別の問題であり、ミッチェルの性自認については保留すべき問題である。 
 

  

『あつまれ どうぶつの森』におけるジェンダー表現については発売前から注目されてきた。プレイヤーは自身の分身について男性/女性をいつでも切り替えられるほか、着用可能な服装についてはジェンダーによる制限を受けない。また本作のディレクターである京極あや氏はWashington Postのインタビューで、「基本的に、ユーザーがジェンダーについて考えなくてもいいし、考えてもいいゲームを作りたいと思っています」とコメントしている。ミッチェルのように、外見が「男性/女性」の二分に当てはまらないデザインは、『あつまれ どうぶつの森』におけるジェンダー表現の懐の深さを示しているといえるかもしれない。いずれにせよミッチェルの普遍的なカワイさは、すでに多くのユーザーの心を射止めているといえよう。 

ちなみに、実はミッチェルのほかにもジェンダーについての考察が繰り広げられている住民がいる。それが、よしのだ。和風の装いが特徴的なシカ系住民で、目元の紅化粧からフェミニンな第一印象を受け取ったユーザーが多かったようだ。一方、よしのは「オイラ/ボク/オレ」住民ではないかと推測する声も存在する。 
 

 

根拠として、『どうぶつの森』におけるシカ住民は「オイラ/ボク/オレ」住民である場合ツノが生えており、「わたし/アタイ/アタシ/ウチ」住民である場合生えていない。よしのには2本の紅色のツノが生えているため、前者であると予想を立てているユーザーもいるようである。一方、別の意見も存在。よしののモチーフはニホンカモシカであるとする説があるのだ。ニホンカモシカには雄雌双方にツノが生えることから、よしのも「わたし/アタイ/アタシ/ウチ」住民でありうるとの見解がある模様。こちらもあわせて、公式で示される解答が気になるところである。 

『あつまれ どうぶつの森』最新アップデートは、11月5日配信予定だ。 




※ The English version of this article is available here

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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