Valve、「ゲームがSteam Deckで動くのか」のレビューを全タイトルに実施。ストア・ライブラリに各タイトルの互換性レベルを表示

 

Valveは10月19日、ポータブルゲーミングPC「Steam Deck」向けの互換性プログラムを発表した。Steamにて配信中のゲームについてSteam Deckとの互換性をチェックし、Steam Deck上のストアおよびユーザーのライブラリにて、各タイトルの互換性レベルを明示するとのこと。
 

 
Steam Deckは、Steamを運営するValveが自ら手がけるポータブルゲーミングPCだ。Nintendo Switchのようなスタイルの本体を採用し、7インチのマルチタッチスクリーンに、アナログスティックやトラックパッド、各種ボタンを搭載。Arch LinuxベースのSteamOSが標準インストールされ、Steamで配信されているタイトルの大部分を占めるWindows向けゲームは、Valveも開発に携わるProtonと呼ばれる互換レイヤーを使って動作させる仕組みとなっている。

ValveはSteam Deckの発売に向けて、互換性レビュープロセスを開発者に対して導入する。特定の基準に照らし合わせながらSteam Deck上でゲームを審査し、そのタイトルがSteam Deckでどのように動作するかをユーザーが理解しやすいように、互換性のレベルで分類するものとなる。
 

 
互換性レベルは4種類あり、まずはすべてのチェックに合格した「確認済み」。ユーザーは特に設定作業をすることなく、ゲームの全機能にアクセスできる。次は「プレイ可能」。Steam Deckにて動作はするが、コントローラー設定の選択やスクリーンキーボードの起動など、手動での操作・設定が求められる。「非対応」は、Protonまたは特定のハードウェアコンポーネントとの互換性がないことを表し、Steam Deckで動作しないタイトルに付与。VR専用ゲームもこれに該当することとなる。そして、まだ互換性レビュープロセスを完了していないタイトルは「不明」に分類される。

「確認済み」とされる主な条件としては、コントローラのフルサポートと適切なコントローラ入力アイコンの使用、および必要に応じてオンスクリーンキーボードを自動表示するなど、入力面の仕様がひとつ。また、Steam Deckのデフォルトの解像度(1280×800または1280×720)をサポートし、テキストが判読可能であることも要件だ。互換性の警告が表示されないなど、シームレスな体験を提供できているかもチェックされる。そしてProtonを介して実行する場合は、アンチチートソフトウェアを含め、ゲームとそのすべてのミドルウェアがProtonをサポートしている必要があるとのこと。
 

 
上述した4段階の互換性レベルにはそれぞれを表すバッジが与えられ、Steam Deck上のストアおよびユーザーのライブラリの各ゲームに表示される。ユーザーは、Steam Deckでプレイ可能かどうかを一目で判別できるわけだ。また、どういった互換性チェックに合格しているのか、あるいはどのような留意点があるのかの詳細を表示させることもできる。

Steam Deck上のストアには、「確認済み」のタイトルのみをリストアップする「Deckに最適」セクションが用意される。もちろん、あらゆる互換性レベルのタイトルを閲覧できる、一般的なストア表示も可能だ。「非対応」や「不明」に分類されたタイトルの購入も可能である。また、ユーザーのライブラリに関しても、「確認済み」のタイトルだけを確認できるセクションが新たに設けられる。
 

 
Valveは、すでにSteam向けゲームの互換性レビューを開始しており、Steam Deckの発売後も、Steamの全カタログを対象に継続してチェックしていくとのこと。Steam Deckでは、Windows OSをインストールし使用ことも可能だとされているが、SteamOSおよびProtonでの利用がデフォルトとなるため、ゲームの互換性はユーザーも気になるところだろう。

仮に「プレイ可能」や「非対応」に分類されたタイトルであっても、開発者が対応し再レビューを受ければ、「確認済み」にアップデートされることも考えられる。Valveは、Steamカタログ内のどのゲームがすでにSteam Deckのレビューを完了し、どの互換性カテゴリーに分類されているかを確認できる方法を、近日中に用意するとのことだ。

Steam Deckは、アメリカ・カナダ・イギリス・EU向けに今年12月出荷予定。そのほかの地域では、2022年に出荷予定だとされている。