『VALORANT』にてVTuberとプロゲーマーが「ゲームの公平性を損なうプレイ」で所属団体からそれぞれ処分を受ける

Riot Gamesは9月29日、『VALORANT』公式Twitterアカウントにて「ゲームの公平性を損なうプレイについて」と題した声明を発表。バーチャルeスポーツプロジェクトチーム「ぶいすぽっ!」とプロゲーミングチーム「Crazy Racoon」および「ZETA DIVISION」に対して、厳重注意をおこなったと発表した。

Riot Gamesは9月29日、『VALORANT』公式Twitterアカウントにて「ゲームの公平性を損なうプレイについて」と題した声明を発表。バーチャルeスポーツプロジェクトチーム「ぶいすぽっ!」とプロゲーミングチーム「Crazy Racoon」および「ZETA DIVISION」に対して、厳重注意をおこなったと発表した。スマーフやブースティングといった、サブアカウントを用いた適性ランクを逸脱したプレイングに対する注意だという。


これを受け各チームは当該メンバーたちを処分。「ぶいすぽっ!」は、所属メンバーである八雲べに氏に対して、1か月の活動禁止措置と9月30日開催予定の『VALORANT』の招待大会への出場辞退措置を取ったと発表。また、「過去に同様の迷惑行為をおこなった」と自ら明かした、同プロジェクトに所属する花芽すみれ氏に対しても、2週間の活動禁止措置を取った。


また、プロゲーミングチームである「Crazy Racoon」は、今回の迷惑行為をおこなったとして、チーム代表者であるCRおじじこと高野大知氏に対して1年間の報酬50%カットと『VALORANT』の全アカウントの削除措置を実施。ほか、各所属プレイヤーにも対応措置をとり、Rion氏に対して3か月間の公式イベントを含めた活動の禁止と『VALORANT』の全アカウント削除措置、Zepher氏に対して1か月間の公式イベントを含めた活動の禁止措置、Francisco氏および天月氏に対して厳重注意をおこなったと発表した

これら一連の騒動は9月27日、とあるTwitterユーザーによる投稿がきっかけで明るみになったものだ。ユーザーのコメントと共に投稿されたのは、『VALORANT』のランク(コンペティティブ)のリザルト画面の切り抜き画像。9月30日午前11時の時点で3500件を超えるリツイート、1200件を超える引用リツイートを獲得するなど、注目を集めた。なぜこれほどまで注目されることとなったのだろうか。

https://twitter.com/pinkward4/status/1442209464308748292

『VALORANT』の基本ゲームルールは、5対5で攻撃と防衛に分かれてスパイクの設置を巡り撃ち合いをおこない、13ラウンドを先取した方が勝利。タクティカルシューティングゲームとしてはスタンダードなものだ。このゲームルールには2種類のマッチングシステムが存在し、一つ目はランクによるマッチング制限が存在しないアンレート、もうひとつはランクポイントの増減が発生するコンペティティブ(ランク)モードだ。コンペティティブでは『VALORANT』以外のゲームでもお馴染みの「獲得ランクによってパーティーのメイキングに制限がかかる」ルールを適用しており、対戦相手やパーティー内でのランク差を極力減らす仕様になっている


今回、騒動になった大きな原因の一つとして、「Crazy Racoon」に所属する各メンバーのランクと「ぶいすぽっ!」所属メンバーとのランクについて、コンペティティブのマッチングができないほどに差があったというものがある。

事の発端は八雲べに氏が9月26日にTwitterにて「ランク友達募集をしています」と投稿したのに対し、以前から遊ぶ約束をしていたというRion氏が連絡を取り、CRおじじ氏、Zepher氏、Francisco氏らとパーティーを組んだところにある。全員がメインアカウントを用いてパーティーを組んでいた場合、その時点でシステム的にコンペティティブのマッチメイキングをおこなうことができないため、本来であればアンレートをおこなうべきであった。

しかし、八雲べに氏の本来の目的はコンペティティブであったため、Rion氏らがサブアカウントを用いて八雲べに氏とパーティーを組んだと見られる。 そのため、メインアカウントを用いた八雲べに氏(ブースティング行為)とサブアカウントを用いた「Crazy Racoon」のメンバー(スマーフ行為)という構図ができあがってしまい、結果的に一般ユーザーからRiot Gamesに告発されることとなった。

そもそも「スマーフ行為・ブースティング行為」はゲームの規約違反となるのだろうか。Riot Gamesは今回の騒動に関して「弊社のサービス規約に違反するものではないものの、不適切であるものと認識しており推奨しておりません」としている。そのためRiot Gamesからの処分は厳重注意に留まるのみ。今年の5月7日に公開した「Ask VALORANT – 5月7日」で述べている「悪意のあるプレイヤー」 には相当せず、『VALORANT』からの追放などは考えていないようだ。また、Riot Gamesは今回の「ゲームの公平性を損なうプレイについて」のTwitter投稿ツリーにてあらためてコミュニティ行動規範を公開し、プレイヤーに再度ゲームプレイにおける注意事項を周知した。

『VALORANT』に限らず、対人ゲームにおけるスマーフ行為・ブースティング行為は、罰則規定の有無に関わらず迷惑行為であることに違いはない。我々プレイヤー全員がルールと節度を守ってゲームをプレイしたいところだ。

Ryo Agawa
Ryo Agawa

FPSするかフライトシムのプレイ中にソシャゲの日課をこなす日々。バンドを組んだり小説を書いたりと、趣味が無法地帯

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