Amazon Gamesは9月28日、『New World』をSteamにて配信開始した。日本時間9月28日夕方からヨーロッパサーバーが開放され、南アフリカサーバーやオーストラリアサーバーが順次開かれているが、ログイン待ちが発生するほど大盛況ぶりを見せている。同時接続ユーザー数は、50万を超えた(SteamDB)。
『New World』は、Amazon Games Orange Countyが開発するMMORPGだ。Amazon Games Orange Countyは、『サイレントヒル ホームカミング』などを手がけたDouble Helix Gamesを前身とするスタジオ。新作の舞台となるのは、17世紀の架空の島Aeternum。超自然的な力が存在するこの島に漂着したプレイヤーは、3つある派閥のひとつに所属し、PvPおよびPvEの戦いに身を投じる。各派閥は領土をもち、砦を築いてそれぞれの繁栄を目指すこととなり、プレイヤーは用意されたさまざまな役割から選び、貢献していくのだ。
ベータテストでは、美しいビジュアルや、間口の広さ、生活要素の中毒性の高さが評価されていた。クエスト面などには批判がありつつも、総合的に堅実に作られているとの声が寄せられていた。前評判が高く、クローズドベータテストでは一時同時接続ユーザー数19万811を記録。その勢いのまま製品版発売へと至り、記事執筆時点でSteam同時接続ユーザー数は、最大50万7212まで伸びている。
Steamは週末にかけてユーザー数が伸びるため、さらなる記録が期待できる。また動画配信プラットフォームTwitchでも数多くの配信者たちがゲームを遊んでおり、Steamのユーザー数と比例するように数字を伸ばしている。Amazonは自社のサービスであるTwitchを使った仕掛けを中心にユーザーを集めてきたわけだ。データだけで見れば、Steamにて今年1番とも言えるロケットスタートを切っている。同時接続ユーザー数でいえば、歴代Steamタイトルの中でも、『Valheim』を上回り5位まで食い込んでいる(SteamDB)。
Amazon Gamesが手がけるタイトルというと、マルチプレイ対戦ゲーム『Breakaway』やチーム対戦シューター『Crucible』、小説版「ロード・オブ・ザ・リング」をもとにしたMMO RPGが開発中止に。なかなかヒット作を生み出せていなかった。また、本作『New World』も発売延期を4度も重ねており、立ち上がりに不安を感じるユーザーもいたことだろう。しかしながら、そうした不安材料をものともせず大規模ローンチに成功。大型MMORPGとしてこれ以上ないスタートを切ったことになる。定価は4200円と強気だが、それでも多数の購入者を生むほどの熱い視線が、『New World』には注がれている。
本作のメインサーバーは欧米が中心。南アフリカやオーストラリアサーバーが用意されているものの、最近のオンラインタイトルとしては珍しく、アジアをあまり意識しない立ち上げがなされていることも特徴である。なお本作のゲームエンジンにはAmazon Lumberyardが採用され、データセンターにはAWSが使用されているとのこと。
リリースに際しては、Twitchの視聴時間に応じてゲーム内のアイテムを獲得できるTwitch Dropsイベントや、Prime Gamingを通じたアイテム配布キャンペーンが告知されている。立ち上げが成功した今、重要なのは今後。ゲームを購入したユーザーをいかに満足させていくかが、さらなる成功の鍵を握るだろう。
『New World』は、PC(Steam)向けに発売中だ。