個人開発者のMatt Newell氏は9月9日、『Lushfoil Photography Sim』のオープンベータ2(yamadera)を配信開始した。同ベータは、山寺こと立石寺を再現したウォーキングシミュレーターとなっている。期間限定での配信になるといい、9月24日頃まで配布されるそうだ。
本作は、山形県の山形市にある立石寺を再現したウォーキングシミュレーターだ。立石寺は山寺の通称で知られている。天台宗の仏教寺院で、860年に円仁が開山したとされている。名勝・史跡に指定されているほか、立石寺中堂や立石寺三重小塔は重要文化財に指定されるなど、長年の歴史と伝統をもつ東北地方を代表するお寺のひとつである。同作では、その山寺をうろつけるというわけだ。
本作では、山や木々、そして参道が3Dにてきめ細やかに表現されている。一人称視点にて、立石寺を探索。山の上から町並みを見渡すもよし、参道にそって進んでいくもよし。参道を外れて散歩し、迷子になってみるのもいいだろう。開発者のNewell氏は2020年1月に立石寺に訪れており、その時に撮影した写真などを資料としつつ、手持ちの3Dアセットを用いながら、同ロケーションを再現したそうだ。
本作には、ちょっとしたアクティビティも用意されている。アイテム収集やカメラでのゲーム内撮影といった遊びも用意されている。カメラは、焦点を変えたり、被写界深度を調節したりと、細かく設定もいじれる。探索や撮影をまじえて、大自然やお寺を思う存分楽しめるだろう。Newell氏は本作について、30分程度で雰囲気を楽しむ作品だと位置付けている。Spotify経由で再生される優しいBGMも、散歩体験を盛り上げてくれる。
現在配信されている「yamadera」は、Newell氏が開発中の『Lushfoil Photography Sim』に収録予定のコンテンツのひとつ。Newell氏はオーストラリア在住のデザイナー兼フォトグラファーで、世界各地の有名スポットを訪れ、それらを3Dで再現する作品を数多く手がけている。以前京都の伏見稲荷大社を再現するウォーキングシミュレーターを配布していた(関連記事)。
『Lushfoil Photography Sim』では、伏見稲荷や立石寺のほか、フランスやアイスランド、オーストラリアやイタリア、ニュージーランドを含めた10のロケーションが収録されるという。また同作の早期アクセス配信開始直後には、DLCによるVR対応も予定されているとのこと。
配信中の「yamadera」はベータ版であり、今後ブラッシュアップや不具合修正がされるそうだ。Newell氏によるコミュニティのDiscordチャンネルでは、不具合報告も受け付けられている。なお今回のベータ版ではマルチプレイもテストされており、ゲーム中0キーを押し諸設定を終わらせ、自身がホストとなるか他プレイヤーに接続をすることで、複数人で参拝することも可能だ。
「yamadera」は、itch.ioにて期間限定で配布中。同コンテンツが収録される予定の『Lushfoil Photography Sim』は、Steamにて2022年早期アクセス配信開始予定だ。