盲目少女が水彩画世界を進むADV『Beyond Eyes』配信終了へ。開発者が販売元との契約更新を拒否


インディー開発者のSherida Halatoe氏は9月2日、現在PC/コンソール向けに配信中のアドベンチャーゲーム『Beyond Eyes』について、配信終了となる予定であることを明らかにした。具体的な時期については不明。販売元を務めるTeam17との契約を更新しないことを選択したため、各ストアでの販売が終了するとのこと。


『Beyond Eyes』は、盲目の少女Raeを主人公とするアドベンチャーゲームだ。事故によって視力を失ったRaeのもとには、Naniと名付けたネコがいつも訪れていたが、ある時を境にNaniが姿を消してしまう。そこで彼女は、大切な親友であるNaniを探す冒険に出ることとなる。

本作では、白いキャンバスに描かれた水彩画のような世界のなかを進んでいく。Raeは目は見えないが、優れた聴力をもっている。周囲から聞こえてくるさまざまな音から、何があるのかを彼女が感じ取ったものがビジュアル化されているのだ。そのため、認識できていない離れた場所は白い空白のまま。近くまで接近することで、風景が変化することもある。

また、世界は基本的に鮮やかな色で描かれる一方で、Raeが怖いと感じた対象はモノクロで表現される。そうした脅威を避けたり、排除したりすることが求められる。本作ではこのように、耳をすましながら周囲の環境を感じ、美しい水彩画世界のなかで歩みを進めていく。

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開発者のSherida Halatoe氏は、2013年にIndiegogoにてクラウドファンディングを実施し本作の開発費を募るも、初期目標金額には到達できず。しかしその後、Team17がパブリッシャーとなり開発が続行され、PCおよび海外PS4/Xbox One向けに2015年に発売されるに至った。それから6年にわたって販売が続けられてきたが、今回Halatoe氏はパブリッシング契約の更新をおこなわない判断をしたため、配信終了することとなった。

Halatoe氏によると、どうやらTeam17との関係はあまり良好ではなかったようだ。発表にて同氏は、「彼らと仕事ができて良かったと言いたいところだが、それは嘘になる」と述べる。またファンへの返信のなかでは、本作の発売後にTeam17が、Halatoe氏の同意を得ることなく契約の一部を見直したことがあったとし、コミュニケーションの不足が、契約更新を見送った主な理由であるとコメント。同時期に契約を結んでいたほかの開発者も、同じような経験をしていたとも語っている。同氏は、自らの作品が配信終了となるのはほろ苦い気持ちであるとしながら、ようやく自分でコントロールすることができるようになり安堵もしていると述べている。


『Beyond Eyes』は、本稿執筆時点ではPC(Steam)および海外PS4/Xbox One向けに配信中。配信終了日は不明だが、Steamでは9月7日まで80%オフセールがおこなわれているため、早ければセール終了と同時にストアから削除されるかもしれない。

また、本作はTeam17の開発協力を得て制作されたため、開発元が独自に再配信することはできない可能性が高いそうだ。Sherida Halatoe氏は、詳細は今後確認するとも述べているが、今回の配信終了までが、本作を入手できる最後のチャンスになるかもしれない。興味のある方は早めに入手しておこう。日本語には非対応だが、有志による日本語化Modが存在する。