Mod開発者のThatLittleCommie氏は8月26日、PC版『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』(以下、『Skyrim SE』)向けのMod「NoSkyrim」を、Mod共有プラットフォームNexus Modsを通じて配布開始した。しかし、翌日になってNexus Modsに削除されてしまったようだ。海外メディアTheGamerなどが報じている。
「NoSkyrim」は、PC版『Skyrim SE』向けに制作されたModだ。開発者のThatLittleCommie氏はNexus Modsのページにて、同Modは自身の最高傑作であり、史上最高のModでもあると胸を張っていた。一方、テストプレイを頼める人がいなかったため、“ゲームをプレイできない”ように、上手く機能することを願っているとも述べていた。実はこのModは、導入すると『Skyrim SE』がプレイ開始できなくなるという、ジョークModだという。
同Modの配布後、Nexus Modsのコメント欄には、「間違いなく最高のModだ」と称賛する声や、「Lore-friendlyな(本来の世界観を維持する)Modですか?」といった質問、あるいは「私の嫁にも使えるようにアップデートしてくれないか」といった要望などが寄せられた。
またRedditでも、「ようやく陽の光を拝むことができる」「まだNintendo Switch版がプレイできるバグがあるぞ。修正してくれ」「200種類のModを導入する代わりに、たったひとつで『Skyrim SE』が起動しなくなるなんて、すごく効率的なModじゃないか」などのコメントが投じられている。ジョークModであることを理解したうえで、コミュニティ内で面白がっている様子がうかがえる。
しかし「NoSkyrim」は、Nexus Modsの運営者によって削除されてしまった。理由については不明だが、利用規約に違反していると判断されたのかもしれない。Nexus ModsのMod投稿ガイドラインでは、Modによって特定の表現をおこなうことを禁じているが、「NoSkyrim」は『Skyrim SE』をプレイできなくするだけのModであるため、そうした規定には抵触しない。
一方で、ガイドラインにてModの内容を明確に記載することが求められている点については、やや不備があったといえるかもしれない。また、Modは機能する状態のものを提出する必要があり、ユーザーの財産に損害を与えるものは不可。「ゲームがプレイできなくなる」という同Modの内容が、それらの規定を満たしていないと誤解された可能性もあるだろう。
ちなみに、開発者のThatLittleCommie氏はこれまでにも、『Skyrim SE』の特定の地域を削除してしまう「NoWhiterun」や「NoWindhelm」「NoSolitude」などのModを手がけており、Nexus Modsにて配布中。「NoSkyrim」は、それらのModの究極進化版といえそうな内容だが、渾身のジョークはNexus Modsには通じなかったようだ。
「NoSkyrim」の削除を受けてThatLittleCommie氏は、Nexus Modsに処分を撤回するよう求めるため、オンライン署名サイトChange.orgにて支持者の募集を開始。本稿執筆時点で170人ほどの署名が集まっている。また、Redditにも「SaveNoSkyrim」というサブレディットを立てて、ファンの支援を求めている。Nexus Modsはそうした声を聞き入れて、「NoSkyrim」の配布再開を認めるだろうか。なお現在「NoSkyrim」は、ThatLittleCommie氏によるRedditへの投稿から、直接ダウンロードすることができる。