小規模MORPG『Book of Travels』またしても早期アクセス配信延期。めったに他プレイヤーと出会わないオンラインゲーム


インディースタジオのMight and Delightは8月25日、『Book of Travels』のSteam早期アクセス配信日を延期すると発表した。8月30日の開始が予定されていたが、またしても延期されることになる。延期後のリリース日程は未定で、準備が整い次第、新たな日程を告知するとのことだ。


『Book of Travels』は、TMORPG(小規模マルチプレイヤーオンラインRPG。TはTinyの頭文字)を謳うゲームだ。プレイヤーは水彩画風の美しいおとぎ話の世界にて、Braided Shore と呼ばれる半島を探検していく。本作には明確なストーリーラインや道筋は存在せず、プレイヤー自らが目標を設定し、自分だけの物語を作っていくことになる。ひとりで探検、そして時にはほかのプレイヤーと出会い、「旅の書」に自分だけの1ページを刻んでいく。

本作の舞台となるBraided Shoreには、無数のランダムイベントが散りばめられている。イベントを通じて、隠されたロケーションやアイテムを発見することもあり、やがてはこの世界に存在する秘密に迫っていくようだ。また、ゲーム中にはバトルが発生することもあり、死の概念も存在する。キャラクターの成長要素もあり、プレイヤーは探索やアイテムの収集・取引を通じて経験値を獲得可能。さらに、300以上のスキルや魔法などもアンロックできる。


本作は小規模なMORPG 作品であり、当然Braided Shoreにはプレイヤー以外のオンラインプレイヤーも存在する。ただし、ほかのプレイヤーとはめったに出会えないという。 どれくらいの頻度でほかのプレイヤーと出会えるかは、早期アクセス配信を通じて調整予定とのこと。ゲームプレイ中、常にグループで活動するような状態にはしたくないそうだ。ソロで旅する孤独と、仲間と行動する喜びのコントラストをつけたいとのこと。またゲームスタート時に同じサーバーを選び、旅を始める際に聞かれる質問事項に対して同じ回答をする ことで、フレンドと一緒に遊ぶことができるという。

Might and Delightは、動物たちの目線で大自然を描く『Shelter』シリーズを手がけるスウェーデンのスタジオ。同スタジオは2016年、大自然の中で動物として過ごすオンラインゲーム『Meadow』をリリース。同作を通じて多くのフィードバックを得たMight and Delightは、さらなるオンラインを通じたつながりをもつゲームを作りたいとし、『Book of Travels』の開発に着手。2019年、Kickstarterにてクラウドファンディングキャンペーン を実施した際には、目標額の10倍以上である251万6656スウェーデン・クローナ(約3200万)を集めた。


当初は2020年10月早期アクセス配信が予定されていたが、さらなる調整が必要であるとして延期。今年6月には、8月9日に早期アクセス配信されると定められたが、その後8月30日へと延期。そしこのたび、さらなる延期が発表され配信日は未定となった。同作においては先日クローズドベータテストが実施されており、ユーザーからのフィードバックを受けて延期が決断されたとのこと。

これほど早期アクセス配信日の延期が繰り返される例はやや珍しい。荒削りながら早期アクセスをスタートさせ、そこからブラッシュアップされていく作品も多い。早期アクセス配信という形式だとしても、世に出た時点でゲームの評価はある程度定まる。そうしたことを踏まえて、リリースに慎重になっているのかもしれない。またMight and Delight はTMORPGというこれまでにないジャンルに挑戦する難しさについてたびたび語っている。早期アクセス配信開始日が延びた分、ゲーム体験が洗練されることに期待したい。

『Book of Travels』は、PC(Steam)向けに早期アクセス配信予定。早期アクセス期間は、約2年が見込まれている。