水上街づくりアートゲーム『Townscaper』正式リリース、Nintendo Switch版国内配信開始。なんとSteamではobjファイル出力が可能に


パブリッシャーのRaw Furyは8月27日、Steamで早期アクセス配信していた『Townscaper』を正式リリースした。あわせて、Nintendo Switch版をリリースしている。Nintendo Switch版は国内向けにも配信されており、ゲーム内は日本語表示に対応。定価は620円だ。


『Townscaper』は、シンプルなシミュレーションゲーム。なにもない水上を舞台に、プレイヤーは街を築いていく。色を指定し任意のマスをクリックすることで、選択したマスに該当色の土地・建物ブロックが誕生。クリックを重ねていくことで、街が作られていくわけだ。ゲームの到達目標などは特に設定されておらず、心ゆくまで街をデザインしていける。一種のアートツールとも表現できるだろう。『Bad North』などを手がけたクリエイターOskar Stålberg氏が個人で制作している。

本作の特徴は、クリックで生成される土地・建物の性質が、周囲の環境によって変化するという点。なにもない場所にブロックを置けば平たい土台ができ、土台を並べていけば広場ができる。細くブロックをつなげていけば港ができるし、ブロックを積み上げていくと塔ができる。独自のアルゴリズムによって生成されるブロックは、時に平地に、時に家に、時に高台へと変化する。また特定の条件が揃えば、家に装飾が施されたり、屋根に鳥がとまったりと、さまざまな演出が加えられる。


昨年7月にSteam早期アクセス配信が開始された『Townscaper』。シンプルなゲームシステムながら、ユニークなアイデアとキュートなビジュアルが高く評価された。Steamでは8700件以上のレビューが寄せられ「圧倒的に好評」となっている。正式リリースに際しては、アップデートが実施された。より大きなグリッドが用意され、大規模な街でもパフォーマンスが落ちないように最適化もおこなわれている。キーボードのキーアサイン機能も実装されたほか、Steam版ではobjファイルの出力機能も導入された。

objファイル出力は、以前より予告されていた機能。ベータテストもされており、このたび正式に実装されることとなった。objファイルとは3Dモデルファイルのひとつ。つまり、本作で作った街をオブジェクトとして、Mayaなど外部プログラムで読み込めるというわけだ。ゲーム画面右上の歯車アイコンをクリックし、エクスポートを選べば、objファイルとmtlファイルとpngファイルが出力される。実際に筆者もBlenderで、自分で作った街を読み込むことができた。本作ではアップデートに際して、ゲーム内の時間を変える機能も搭載され、光陰の表現も変更可能になっている。好みの街を作って、描写を変更しつつ、外部ソフトで読み込むのも楽しそうだ。


開発者のStålberg氏は、昨年一年間の育休をとっていたとのこと。少ない自由時間を使いながら、バグを修正しつつ、RawFuryと協力してNintendo Switch版の移植をしたそうだ。今後『Townscaper』に新たに機能を追加する予定はないものの、バグを見つけた場合は報告してほしいとしている。

『Townscaper』はPC(Steam)/Nintendo Switch向けに620円で配信中。Steam版は9月3日まで10%オフの558円で購入可能だ。