チェルノブイリ・サバイバルFPS『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chernobyl』は、Unreal Engine 5にて開発中だった。開発元が突然明かす
デベロッパーのGSC Game Worldは8月12日、サバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chernobyl』について、Unreal Engine 5(以下、UE5)を使用して開発していることを明らかにした。
『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chernobyl』は、原発事故が発生したチェルノブイリを舞台にするサバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの最新作だ。本作の世界のチェルノブイリでは、2回目の爆発事故によりゾーンと呼ばれる危険なエリアが発生。プレイヤーは、エリア内に存在するとされる宝や謎を求めて、放射能汚染と異形のモンスターが存在するゾーンの探索に挑む。
本作は、もともと2010年に開発が表明されたものの、紆余曲折を経て2018年に再発表され、現在まで開発が進められている。これまでのシリーズ作では、開発元GSC Game Worldの独自ゲームエンジンX-Ray Engineが使用されてきたが、『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chernobyl』では、Epic GamesのUnreal Engineを用いて開発していることが2020年1月に明らかにされた。本作ならではの空気感を表現するにあたって最適であり、またMod対応が容易であることも採用の理由だという。
一方、具体的なバージョンについては触れておらず、またUE5が正式発表されたのは2020年5月のことであったため、当時は本作はUE4にて開発されているものと受け止められていた。しかし実際にはUE5が使用されていた、あるいは早い段階で開発環境をUE4からUE5に移行したようだ。
今回の発表は、今年の夏に披露された数多くの作品がUE製であることを、Epic Gamesがアピールするなかでおこなわれた。紹介された作品のなかに『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chernobyl』が含まれていなかったため、GSC Game Worldが本作がUE5タイトルであると公言しても良いと伝えたのだ。これに対しEpic Gamesは、秘密にしていたものと思っていたと返している。
GSC Game Worldはさらに、UE5での開発中の画面を公開。本作のマップ内のどこかを写した何気ないシーンではあるが、コンクリートや倒木の非常に精細な描写が目を引く。本作ではフォトグラメトリ技術が使用されており、その成果であると思われる。
本作については、これまでにいくつかのトレイラーが公開されており、過去作から大きく向上したビジュアルは見どころのひとつ。そうした表現の背景には、仮想化マイクロポリゴン・ジオメトリシステムNaniteや、グローバルイルミネーション・ソリューションLumenなど、UE5の新技術が活かされているのかもしれない。
『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chernobyl』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/Xbox Series X|S向けに、2022年4月28日発売予定だ。Xbox Game Pass向けにも提供される。
なお、Unreal Engine 5は現在早期アクセス中であり、フルリリースは2022年初頭の予定。ちょうど本作が発売される頃にはフルリリースを迎え、ほかにもUE5採用タイトルが続々とリリースされ始めるかもしれない。また、Epic Gamesは『フォートナイト』のUE5への移行を2021年内に計画しており、小規模な作品では『Low Light Combat』のように、すでにリリースされているUE5採用タイトルもある。