ゲームエンジン「GameMaker Studio 2」提供プランと価格体系を見直し。シンプルな3プランにまとめ、すべて月額・年額制に
ゲームエンジン「GameMaker Studio 2」を手がけるYoYo Gamesは8月10日、同製品の提供プランと価格を見直したと発表した。より柔軟な価格体系にしたことで、誰もが利用しやすくなったとしている。
GameMaker Studio 2は、2Dゲーム開発に特化したゲームエンジンだ。PC向けだけでなく、モバイルやコンソール向けのリリースにも対応。インディー開発者に幅広く利用されており、有名なところでは『UNDERTALE』や『Risk of Rain』『Downwell』『Katana ZERO』『Spelunky』『VA-11 Hall-A』『ホットライン マイアミ』といった採用例が挙げられる。同製品は、これまで何度か価格体系が見直されてきたが、今回はよりシンプルなかたちへと変更された。
まず従来の提供プランは、FREE・CREATOR・DEVELOPER・CONSOLEの4種類だった。FREEは、各プラットフォームでのゲームのリリースはできないが、GameMaker Studio 2をフルで体験できる無料プランだ。CREATORは、PC向けにゲームをリリースでき、Windows/Macそれぞれ年額4200円。DEVELOPERでは、さらにHTML5のウェブアプリやUWP(Xboxクリエイタープログラム含む)向けも追加。価格はプラットフォームごとに各1万500円で、こちらは永久ライセンスとなる。CONSOLEは、PlayStation/Xbox/Nintendo Switch向けにリリース可能。それぞれ年額8万5500円で、全プラットフォーム対応ならば年額16万500円となっていた。
そして、今回発表された新たな提供プランは、FREE・INDIE・ENTERPRISEの3種類である。FREEは以前と同じ、GameMaker Studio 2を体験できる無料プラン。INDIEは、以前のCREATORとDEVELOPERをひとつにまとめたプランだといえる。PCやモバイルなど、コンソール以外のすべてのプラットフォームに向けてゲームをリリースでき、ライセンスもひとつに集約。プラットフォームごとにライセンスを購入する必要はない。価格は、月額1010円・年額1万300円だ。
ENTERPRISEは、上述のINDIEにコンソール対応を追加した全部入りプランである。PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch向けにも、開発したゲームをリリースできる。価格は、月額8250円・年額8万2500円で、こちらもすべてのライセンスが1プランの中に集約された。
つまり、GameMaker Studio 2を試したいだけならFREEを、コンソール以外にリリースしたいならINDIEを、コンソール向けにも開発したいならENTERPRISEを選ぶことになるわけだ。シンプルなかたちにまとめられ、またプラットフォームごとに分かれていたライセンスもひとつに集約されたことで、価格が引き下げられた面もある。一方、永久ライセンスの販売が撤廃された点は、ユーザー間で賛否があるようだ。
なお、以前のDEVELOPERプランにて永久ライセンスを購入したユーザーは、GameMaker Studio 2のライフサイクルが続く間はそのまま利用可能。また、以前の各プランから現行プランへのアップグレードも用意されている。詳細は公式サイトおよび公式FAQを確認してほしい。
今回実施されたGameMaker Studio 2の提供プランと価格の見直しについてYoYo GamesのCTO Russell Kay氏は、可能な限り簡単に誰もがゲーム開発を始められるようにすることが目的だったとし、今回の発表はその第一歩とのこと。年内には、また新たな取り組みをおこなう予定だとしている。また、YoYo Gamesは今年1月に、WebブラウザメーカーのOperaに買収されているが、同社のゲーミングブラウザ「Opera GX」を通じて、GameMaker Studio 2ユーザーの作品を共有・プロモーションする仕組みも用意しているとのことだ。