『Apex Legends』シアは、ミッドシーズン前に調整予定あり。ランページやワールズエッジ改変意図など、開発者の回答ひとまとめ


Apex Legends』では現在、新シーズン「エマージェンス」が開催されている。新たなレジェンドの登場やマップ改変、新武器の使い心地などプレイヤーの気になる要素はさまざまだろう。海外掲示板Redditでは、こうしたユーザーから寄せられた疑問について開発者が回答する「Ask Me Anything(何でも聞いてね)」スレッドが開催された。ここでは、新要素にまつわる回答を中心にまとめて見ていこう。 

やはり最大の感心事といえば新レジェンド、シアの強さだろう。とくに議論に挙がっているのが戦術アビリティの多機能性だ。8秒間のトラッキング能力、ヘルスバー開示、アビリティ・回復・蘇生の阻害など、その能力は多岐にわたる。公正さ・楽しさ・バランスの面から見て、どのようにシアの能力がデザインされたのかという疑問が寄せられた。 
 

 
ゲームプレイエンジニアのTravis Nordin氏は、難しい質問だとしながらもこれに回答。まずRespawn Entertainment内部では、プレイテストを尊重する強い文化が存在するという。週ごとに複数のプレイテストが開催され、チームの誰でも参加することが可能。今後実装される予定のコンテンツを試し、フィードバックを得ているとのことだ。ときにはプロプレイヤーやコンテンツクリエイターを招いてのプレイテストでフィードバックを得るとのこと。 

しかし、こうした数多のプレイテストと比べても、実際にリリースしてプレイヤーに遊んでもらうことには及ばないという。シアは、リリース前にとくに複数の調整を経ており、スタジオ内外のフィードバックによって形作られてきた。つまり、シアは決まり切ったコンセプトのもとに作られたというよりは、フィードバックを受けながら柔軟に設計されてきたということだろう。なお別のレスでNordin氏が述べていることによれば、シアは現状では強すぎるとの評価のため、ミッドシーズンを待たずにアップデートで調整が入る予定だという。その後のレスによれば、アビリティを根本的に改変する予定はないが、フラッシュ効果が意図よりも強力になっているため、取り除く可能性が高いとのこと。 
 

 
また、新武器ランページLMGの設計意図についても質問が寄せられた。メタの変更を狙っていたのかという質問に対し、ゲームデザイナーの一人が回答している。新しい武器を追加することは、つねにメタ武器の構成を揺るがすことにつながり得るという。また開発者としては、新武器を追加する際にはいつも、プレイヤーにとっての価値ある選択肢になることを望んでいると述べた。 

ランページLMGのデザイン意図は、連射速度が遅く中距離戦に優れるLMGを生み出すことだったという。しかし、同時にセンチネルのチャージに似たメカニックを取り入れたいとの意図もあった。そこで、ランページLMGに汎用性を与えるためにテルミットグレネードのチャージ要素が追加されたのだ。チャージしたことによる恩恵はさまざまなものが検討されたようだが、結果的には近距離戦になった際の弱点である連射速度を補うものとなったようだ。 
 

 
このほか、マップ改変についても疑問が寄せられている。たとえば今回大きな変更が加えられたワールズエッジだが、激戦区の一つとして知られるフラグメントイースト・ウェストは手つかずのままだ。この点についてユーザーが尋ねると、シニアレベルデザイナーであるGarrett Metcalf氏が回答。フラグメントは激戦区かつマップの主要ロケーションであるがゆえに、改変については多くのプランニングや調整、プレイテストが必要であって、絶対に失敗できない場所だという。一方で、将来的に改変する可能性もありうるとしており、コミュニティのフィードバック次第ではフラグメントにも何らかの手が加わる可能性があるようだ。 

また今回のマップ改変は、クリマタイザーやラバサイフォンなど、溶岩でマップが細かく分割されていることも特徴。Metcalf氏のコメントによれば、今回の改変の意図は、戦利品確保の場所を分離し、密度を濃くすることで、突然の漁夫の利パーティとの遭遇にもカウンターしやすくするねらいがあるようだ。分離されたエリア間に距離があるため、プレイヤーは前進・横断したり、ほかのパーティと戦ったりする際に、より意味のある意思決定をする必要がある。とはいえ、「エリアを分割する」のはあくまで今シーズンでのテーマであり、今後もさまざまなパターンのマップ改変がおこなわれるようだ。 
 

 
シーズン開幕直後だけあって、さまざまな議論で白熱したAMAスレッド。新要素の研究が進むにつれ、開発者へのフィードバックもより盛んにおこなわれていくだろう。