フランスのパブリッシャーFocus Home InteractiveがDotemuを買収。『ベア・ナックルIV』を手がけるなど日本にも縁深いメーカー


パブリッシャーのFocus Home Interactiveは8月6日、同じフランスに拠点を置くパブリッシャー/デベロッパーDotemuを買収したと発表した。今回同社は、Dotemuの株式77.5%を3850万ユーロ(約50億円)で取得している。

Focus Home Interactiveは、フランス・パリに拠点を置くパブリッシャーだ。『Farming Simulator』や『Pro Cycling Manager』『Le Tour de France』といったシリーズを長年手がけているほか、近年は『A Plague Tale: Innocence』や『The Surge』『Vampyr』『MudRunner』『Curse of the Dead Gods』などの作品でも成功を収めている。同社は昨年、『The Surge』シリーズを開発したDeck13を傘下に収め、今年に入ってからは『Space Hulk: Deathwing』などで知られるStreum On Studioを買収。今回、さらにDotemuをグループに迎え入れることとなった。

Dotemuは、クラシックゲームのPC移植を多数手がけてきた歴史をもち、日本の作品を扱うことも多いことで知られる。初期は純粋な移植作品にとどまっていたが、2017年発売の『Wonder Boy: The Dragon’s Trap』では、『モンスターワールドII ドラゴンの罠』をリメイクし高い評価を獲得。その後、『ベア・ナックルIV』や『Windjammers 2(フライングパワーディスク2)』といった、クラシックゲームの続編や新作を手がける新たな取り組みを始めている。

*Dotemuは、『メタルスラッグ』を戦略RPG化した新作も開発中。

発表にてFocus Home InteractiveはDotemuについて、上述したようなクラシックIPを発掘してアップデートさせる手法により、世界的な成功を収めてきたと評価。そのうえで同社CEOのChristophe Nobileau氏は、今回の買収はグループの多様性を高め、成長を加速させることに繋がると述べている。

一方のDotemuのCEO Cyrille Imbert氏は、Focus Home Interactiveの傘下に入ることに迷いはなかったとし、今後はグループがもつAAタイトル開発のノウハウを活用できるとコメント。また、将来的には2000年代初期のゲームについてライセンスを取得し、リメイクや続編を手がけていくことに意欲を示した。当時は3Dゲームが家庭用向けに普及し始めた時代であり、そうしたタイトルにも携わるのかもしれない。

なお、Dotemuは今後も存続し、ゲーム開発・販売を続ける。Cyrille Imbert氏はDotemuのCEOにとどまり、さらにFocus Home Interactiveの執行役員を兼務することとなるそうだ。また、Dotemuが運営するインディーゲーム専門レーベルThe Arcade Crewも活動を継続。同レーベルの今後のタイトルとしては、『Young Souls』などが予定されている。