ソニー、今年度の販売目標台数分のPS5用半導体を確保できる見通しを明らかに。PS4での実績を超える目標を設定
ソニーは8月4日、2021年度第1四半期の業績説明会を開催。このなかで同社はPlayStation 5本体について、今年度の販売目標台数分の半導体を確保できる見通しであることを明らかにした。
現在、さまざまな製品分野で半導体不足が叫ばれており、これはゲーム機の製造にも影響。PS5においても、需要に供給が追いついていない状況が昨年11月のローンチ以来続いている。
業績説明会のQAセッションにて、半導体不足によるPS5への影響について問われたソニー副社長兼CFOの十時裕樹氏は、半導体不足自体はいろいろな面で影響はあるが、さまざまな手段を用いて手を打ってきているとコメント。そのうえで、「PS5については今年の販売台数の目標をきちんと設定して、それに見合うだけのチップの確保ということに務めている」「供給の数自体については、さほど心配はしていない」と回答した。
ソニーは、今年度通期(2021年4月〜2022年3月)のPS5の販売台数の見通しについて、PS4導入翌年度の実績である1480万台を上回る、という目標を設定している。これは、PS3以前の世代を含めた過去最高の実績を意味する。十時氏は、これを達成するための供給については心配していないという趣旨の回答をしているため、それだけの数のPS5を製造するための半導体については、すでに確保している、あるいは確保できる目処がついているということのようだ。
なお、ソニーは2021年度第1四半期だけで230万台のPS5を販売している(累計では1010万台)。そのため、2022年3月末までの残り9か月間で、1250万台以上を販売するというのが、同社が設定している目標となる。この目標自体は前期に示されていたものであり、今回その数字をトーンダウンさせることがなかったということは、半導体不足のなかでの製品供給という面では安心材料といえそうだ。もっとも、PS5への大きな需要に十分に応えられるかどうかは、状況を見守る必要があるだろう。
ちなみに今回のQAセッションにおいては、PS5本体の損益分岐点に関する質問もあった。ソニーは今年5月、PS5本体(スタンダードエディション)の逆ザヤ、つまり製造コストが販売価格を上回っている状態は、6月にも解消する見通しであることを明らかにしていた。それを達成できたのかどうかを問う質問だ。これに対して前出の十時氏は、予定通りに進んでいるとコメント。スタンダードエディションに関しては、現在すでに逆ザヤ状態は解消し、利益を生んでいるようだ。一方のデジタルエディション本体に関する具体的な言及はなかったが、同氏は周辺機器も含む全体のハードウェアの収益性という観点では順調に進んでいる、とだけ述べている。