サイバーパンクアクションRPG『アセント(The Ascent)』発売後3日間の売上が約5億5000万円を記録。コミュニティ重視の戦略が功を奏す
パブリッシャーのCurve Digitalは8月4日、アクションシューティングRPG『アセント(The Ascent)』の発売後初めての週末の売り上げが、500万ドル(約5億5000万円)超を記録したと発表した。同社にとって、これまでで最大の初動記録になったとのこと。
本作は、スウェーデンのデベロッパーNeon Giantが開発した、最大4人でのローカル/オンライン協力プレイに対応するアクションシューティングRPGだ。プレイヤーは、犯罪の蔓延るスラム街から、支配層の住む居住区までさまざまな区域が存在するメトロポリスを舞台に、すべての人間を管理する超巨大企業アセントグループが突如活動停止した原因を探る。
『アセント』は、PC(Steam/Microsoft Store)およびXbox Series X|S/Xbox One向けに7月30日に発売。その発売日を含む週末3日間だけで、約5億5000万円以上もの収益を記録したという。なお、本作はXbox Game Pass向けにも配信中だが、同サブスクリプションサービスへの提供による収益は含まれていないとのこと(Gamasutra)。また、Steam以外の日本版はDMM GAMESが販売を担当しているが、そちらの収益が含まれているのかどうかは不明である。
発表では売り上げ本数については明かされていないものの、収益金額から単純計算すれば、10万本は優に超えているものと思われる。Steamでは、売上チャートのトップに位置していた期間もあった。人気サービスとなっているXbox Game Passにも提供されていることを考えれば、プレイヤー数としてはさらに大きな規模になっていることだろう。
販売元Curve Digitalは、本作のローンチに向けたPRではコミュニティとのエンゲージメントに特に注力したとし、その結果1700以上のYouTube/Twitchチャンネルに取り上げられ、合わせて1000万ビューを獲得したとコメント。配信者にとってマストプレイなタイトルになっていたと分析している。こうした取り組みは同社にとって新しいアプローチだったそうで、大きな手応えを感じている旨を語っている。
本作の開発元Neon Giantは、『DOOM』『Wolfenstein』『Far Cry』『Gears of War』などのAAAシリーズ作に携わった経験をもつ業界のベテランによって設立された。わずか12人の小さなチームが手がけたデビュー作とは思えない、濃密な描写のサイバーパンク世界での『アセント』のゲームプレイは、発売前から大きな注目を集めていた。それが今回の成功に繋がったのかもしれない。
一方、本作においては、各種バグや一部言語のローカライズの問題、そしてSteam版とMicrosoft Store版の仕様の違いなどがコミュニティから指摘されている(関連記事)。Curve DigitalとNeon Giantは、そうした問題への対処をおこないながら、今後さらなるプレイヤーへのアピールを続けていくことになるだろう。
『アセント(The Ascent)』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S/Xbox One向けに配信中。Xbox Game Pass向けにも提供されている。