任天堂とコロプラの『白猫プロジェクト』特許権侵害訴訟、ついに和解。コロプラが33億円支払う

コロプラは8月4日、任天堂より起こされていた特許権侵害に関する訴訟について、任天堂と和解に合意したことを発表した。コロプラ側が、任天堂特許についての今後のライセンスを含めた同訴訟の和解金を任天堂に支払うことで、任天堂側は訴えを取り下げるという。

コロプラは8月4日、任天堂より起こされていた特許権侵害に関する訴訟について、任天堂と和解に合意したことを発表した。コロプラ側が、任天堂特許についての今後のライセンスを含めた同訴訟の和解金を任天堂に支払うことで、任天堂側は訴えを取り下げるという。任天堂側も同様の声明を出している。コロプラのリリースによると、和解金は33億円になるそうだ(リンク先はPDF)。

任天堂は2018年1月10日、コロプラを相手に特許権侵害に関する訴訟を起こしていた。「特許権侵害に基づく損害賠償請求」と、「特許権侵害に基づくアプリ『白猫プロジェクト』の生産、使用、電気通信回線を通じた提供等の差止」請求。具体的には、『白猫プロジェクト』の差し止めと損害賠償、遅延損害金を求めていた。

『白猫プロジェクト』においては、ぷにコンと呼ばれるバーチャルパッドが実装されており、このバーチャルパッドを使ってゲームを進行させる。画面をタップすることで通常攻撃を繰り出すことができ、連続してタップすることでコンボが発動する。また、SPを消費することでアクションスキルが発動可能。アクションスキルは画面を長押しつつ、指定方向にフリップし、指を離すことで発動する。こうした操作などが特許侵害に該当すると、任天堂は主張していた。

2018年1月に訴訟が起こされ、裁判は3年以上続いてきた。その間に任天堂がコロプラに求める損害賠償請求金額は段階的に増額されており、2021年4月にはその額は96億9900万円にも及んでいた。訴訟にまつわる不安を寄せる声が『白猫プロジェクト』ユーザーなどから寄せられていたが、このたびコロプラが和解金を支払うかたちで決着がついたようだ。

コロプラは、和解による早期解決を図ることが最善であると判断し、和解に合意したという。和解金である33億円については、2021年9月期第3四半期の特別損失として計上しているという。また和解対象となる特許についても明かされている。該当特許は以下のとおり:

・日本国特許第3734820号
・日本国特許第4262217号
・日本国特許第4010533号
・日本国特許第5595991号
・日本国特許第3637031号
・日本国特許第6271692号

コロプラは先日『コロプラゴルフ』を発表し、現在では「白猫」「黒猫」系に留まらず、ライブプレイリングゲーム『ユージェネ』などさまざまなサービスを展開中。一方でどのニュースにおいても、任天堂との訴訟の件が取り沙汰され、生放送などでも陰を残していた。ひとまずこの和解によって、ネガティブなトピックとは一線を引けるようになるだろう。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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