サイバーパンクARPG『アセント(The Ascent)』Steam版とMicrosoft Store版で一部仕様が異なると指摘。開発元は改善を約束
パブリッシャーのDMM GAMESおよびCurve Digitalは7月30日、アクションシューティングRPG『アセント(The Ascent)』を発売した。本作はXbox Series X|S/Xbox One版に加え、PC版がSteamとMicrosoft Storeにて配信。そのPC版について、ストアによってゲームの一部仕様が異なると、多くのプレイヤーから指摘されているようだ。
『アセント』は、スウェーデンのデベロッパーNeon Giantが開発した、サイバーパンクの世界観をもつアクションシューティングRPG。舞台となるのは、犯罪の蔓延るスラム街から、支配層の住む居住区までさまざまな区域が存在するメトロポリスだ。すべての人間を管理していた超巨大企業アセントグループが突如活動を停止したことで、街の秩序は崩壊。プレイヤーは、この事変の原因を探ることとなる。
本作は、ソロプレイのほか最大4人でのローカル/オンライン協力プレイに対応。街のさまざまな区域を進みながら、アサルトライフルやショットガン、レーザー、あるいはグレネードやドローンなどの多彩な武器・ガジェットを駆使し、またエリア内のオブジェクトをハッキングするなど環境を利用しながら敵と戦う。プレイヤーキャラクターは、レベルアップで得たスキルポイントでスキルを強化し、さまざまなプレイスタイルを表現可能だ。
本作については、配信直後からSteam版とMicrosoft Store版の違いについてプレイヤーから報告が上がっていた。具体的には、Microsoft Store版ではレイトレーシングが機能せず、DLSS(Deep Learning Super Sampling)は無効。難易度設定も見当たらないとのこと。つまり、Steam版には存在する一部の機能が、Microsoft Store版には実装されていないというのだ。
こうした指摘に対して開発元Neon Giantは、両ストアのバージョンを同等の内容にすべく、パートナーと取り組んでいるところであると回答。それぞれのビルドのプロセスが異なっていたことから、上述したような違いが生まれてしまったとのこと。一部では、Microsoft Store版は古いビルドなのではないかという指摘もあるが、こちらについては不明。いずれにせよ、意図して違いを設けたわけではなさそうだ。
同じPC版でありながら、Steam版とMicrosoft Store版の仕様が異なるということでは、『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』での出来事が記憶に新しい。同作では、もともとSteam版の最適化不足が指摘されていたなか、後発のMicrosoft Store版にだけ機能追加を実施。Steam版ユーザーの怒りを買いレビュー爆撃にまで発展したのち、スクウェア・エニックスはSteam版のアップデートを実施している(関連記事)。
一方、『アセント』はSteam版もMicrosoft Store版も同日にリリースされている。両バージョンの仕様が異なることは、プレイヤーにとって理解しがたいことであったようだが、原因はともかく、開発元は可能な限り早く改善させると約束している。
なお本作においては、日本語を含む一部言語設定において、未翻訳で英語のままとなっているテキストが散見されるとの報告もある。これについて開発元Neon Giantは、今後数日のうちに改善パッチを配信する考えを示している。この回答はスペイン語版への指摘に対するものであり、また簡体中国語版や韓国語版についても公式にコメントしている。日本語版においても改善がおこなわれるのかどうかは、現時点では不明である。同スタジオは、本作にてバグなどの問題を発見した場合は、こちらのフォームから報告してほしいと呼びかけている。
『アセント(The Ascent)』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S/Xbox One向けに配信中。Xbox Game Pass向けにも提供されている。
【UPDATE 2021/8/3 15:35】
先述した本作のローカライズの問題について、弊誌がDMM GAMESに確認したところ、日本語版についても現在ローカライズの改善に向けて進行中だそうだ。パッチの配信日については、まだ決定していないとのことである。