Nintendo Switch(有機ELモデル)、懸念される焼き付き現象は本体機能にて予防可能。任天堂がコメント
任天堂が今年10月8日に発売するNintendo Switch(有機ELモデル)。その製品名が示すとおり、有機EL(OLED)を採用したディスプレイが最大の特徴となる。一方で、購入を検討する方のなかには、有機EL特有の焼き付き現象への懸念があるかもしれない。この点について任天堂が、予防策があるとコメントしている。
Nintendo Switch(有機ELモデル)は、従来のNintendo Switchとほぼ同じ大きさの本体ながら、ベゼル幅を狭くし6.2インチから7.0インチにサイズアップしたディスプレイを搭載。そして、液晶ディスプレイから有機ELディスプレイに変更している。有機ELディスプレイは、有機EL素子が自発光することで、ピクセルのひとつひとつを表示する方式。バックライトを必要とする液晶ディスプレイと比べてより深い黒色を表現でき、高コントラストの鮮やかな描画が特徴だ。
一方で、有機ELパネルの特性上、同じ画面を長時間表示し続けると、有機EL素子が劣化して焼き付き現象が発生する可能性があるとされる。画面が切り替わっても、以前の表示が残像のように残ってしまう現象だ。焼き付きの度合いによっては、残像がずっと残ったままになってしまうこともあるという。数時間程度の表示で焼き付くようなことはないものの、たとえばUIの特定部分が常時一定で表示されるゲームを、毎日長時間プレイし続けた場合には、いずれ焼き付きが起こるのではとの懸念はあるだろう。
任天堂は海外メディアCNETに対し、Nintendo Switch(有機ELモデル)の有機ELディスプレイは、可能な限り長寿命となるよう設計しているものの、静止画を長時間表示し続けた場合には、焼き付き現象が起こることはあると認めている。そのうえで、Nintendo Switchの標準機能によって、焼き付きは予防することが可能であると述べている。
任天堂が、有機ELディスプレイの焼き付き予防に使える機能として挙げているのは、まずはセンサーによって画面の明るさを自動調節する「明るさの自動調節」である。そしてもうひとつは、何も操作しないでいると自動的にスリープになる「自動スリープ」だ。「明るさの自動調節」では、明るすぎる画面設定を抑えることができるとしている。明るさを下げることは、有機ELディスプレイの焼き付き予防として一般的な手法でもある。「自動スリープ」については、短時間でスリープするよう設定することが言及されている。あまり長時間に設定すると意味がないということだろう。
「明るさの自動調節」も「自動スリープ」も、従来のNintendo Switchに搭載されている機能である。こうしたおなじみの機能を使いこなすことで、Nintendo Switch(有機ELモデル)のディスプレイの焼き付きを予防できるそうだ。
ちなみに従来のNintendo Switchには、5分間操作しないでいると画面が薄暗くなる「テレビの画面焼けを軽減」という設定が用意されている。おそらく、有機ELテレビに繋いでプレイすることを想定した機能だろう。有機ELテレビには、パネルリフレッシュやパネルメンテナンスなどと呼ばれる、焼き付きを改善させる機能が用意されているが、そうした専用の機能がNintendo Switch(有機ELモデル)にも搭載されるのかどうかは現時点では不明である。
Nintendo Switch(有機ELモデル)は10月8日発売予定。予約受付は9月下旬から開始される。本製品では有機ELディスプレイ以外にも、フリーストップ式の幅広背面スタンドや、64GBに倍増した本体保存メモリー、同梱ドックへの有線LAN端子搭載などの特徴がある。