言葉のないアドベンチャーゲーム『A Memoir Blue』発表。水底に沈む記憶を辿り幼き日の母の面影を見る

パブリッシャーのAnnapurna Interactiveは7月30日、『A Memoir Blue』を発表した。『A Memoir Blue』は「インタラクティブなポエム」と公称する、“言葉を使わない”アドベンチャーゲームだ。

パブリッシャーのAnnapurna Interactiveは7月30日、アドベンチャーゲーム『A Memoir Blue』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)および、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/iOS。本作はXbox Game Passに提供される。またSteamストアページによると、ゲーム内は日本語表示に対応するとのこと。 
 

 
『A Memoir Blue』は「インタラクティブなポエム」と公称する、“言葉を使わない”アドベンチャーゲームだ。本作の主人公であるミリアムは、水泳選手としてチャンピオンだった実績をもつ女性。ある大きな偉業を達成した日、彼女はふとしたことから長らく忘れていた過去の記憶を追想することとなる。思い出を辿る中で、ミリアムと愛情深い母親との間にある複雑な関係性が明らかになっていく。 

本作の特徴は、アドベンチャーゲームでありながら、言葉が一切使用されていないことだ。物語や登場人物の心の動きは、キャラクターアニメーションにより表現される。さらに、台詞の読み上げがない代わりに、挿入される歌が吹き替えのような役割を担っているそうだ。今回公開されたトレイラーでは、女性ボーカルがしっとりと歌い上げる楽曲が挿入されており、こうした歌では母親がミリアムに対して抱く思いが表現されているという。 
 

 
また『A Memoir Blue』のもう一つの特徴として、2D表現と3D表現が混合して用いられている点が挙げられる。子ども時代のミリアムや在りし日の母親など、過去の情景は手書きアニメーションで描写。一方、現在の視点から記憶を辿っているミリアムの様子は、3DCGで描かれている。複数の表現技法を交えながら、クラゲの舞う海底や水没した列車のなかを舞台に、幻想的な追憶の旅路が描写されていく。 

本作のストーリーは、開発元Cloisters InteractiveのディレクターShelly Chen氏が抱く個人的な体験が物語のベースになっているそうだ。同氏は幼いころ、母親に日帰り旅行へ連れていかれたという。そのときに乗った電車の情景やボートから見た景色などが、『A Memoir Blue』における場面として色濃く反映されているようだ。一方、Chen氏は当時の母親を振り返り、「母は家から逃げ出したかったのだと思う」とも述懐する。同氏の複雑な家庭環境は、ミリアムの生い立ちにも影響を与えていそうだ。 
 

 
『A Memoir Blue』はPC(Steam)および、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/iOS向けに発売予定。Xbox Game Passにも提供される予定だ。 

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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