パブリッシャーのTeam17は7月28日、第二次世界大戦FPS『Hell Let Loose』を正式リリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は 4100円。ゲーム内は日本語表示に対応する。また、2021年第4四半期にはPlayStation 5/Xbox Series X|S版のリリースを予定している。
『Hell Let Loose』は第二次世界大戦をテーマとしたマルチプレイヤーFPSだ。戦場では100人規模のプレイヤーが2陣営に分かれ、熾烈な争いを繰り広げる。プレイヤーは歩兵、偵察部隊、装甲部隊に属する、14種類の役割から一つを選択。将校、偵察兵、マシンガン射手、衛生兵、整備士、戦車司令官などの役割があり、それぞれ異なる武器、車両、装備を扱うことになる。タイガー、シャーマン、スチュアート、ピューマなど、第二次世界大戦に登場した膨大な数の車両を操縦することも可能だ。
本作は実際の偵察画像と衛星データをモデルにした、9種類以上の広大なマップが舞台となる。マップごとに99個の占領ポイントがあり、50人編成の2チームがセクターを奪い合うのだ。拠点を制圧すると、リスポーン地点の作成や、軍需物資による砲撃・機銃掃射・爆撃の使用、各種車両の呼び出しに必要なリソースが生成されるようになる。単純なキル・デス比ではなく、チームワークがゲームプレイの要。将校や指揮官の指示に従って、仲間とコミュニケーションをとりながらターゲットを奪う必要があるのだ。
正式リリースにあたり、『Hell Let Loose』においてはアップデート10が配信。ソビエト軍とドイツ軍の戦いを再現した東部戦線にまつわる要素が多数追加されている。マップとしては、新たにスターリングラードとクルスクが実装。ロードアウトも多数追加されており、プレイヤーはモシンナガンやトカレフといったソビエト軍の銃器を扱うことができる。T-34中戦車やIS-1重戦車といった車両も戦場に投入できるようになった。このほかシステム面のバランス調整も数多く実施。自動でスポーンする車両についてはリソースが消費しなくなるなど、車両呼び出しやリソース管理の戦略に大きな変化をもたらしえる調整がなされた。
開発元であるBlack Matter Ptyは、正式リリース後も『Hell Let Loose』のアップデートを続けていくとしており、2021年から2022年にかけてのロードマップを発表。大きな要素としては、イギリス軍を中心としたコンテンツ拡充が図られるようだ。英国製の武器やイギリスを舞台としたマップ、同国の車両などが追加される予定とのこと。ほかキャンペーンモードの追加や、「パーティーシステム」なる機能の導入など、今後も『Hell Let Loose』におけるアップデートが続けられていくことが示されている。
レビュー集積サイトMetacriticではメタスコア81点と堅実な評価を押さえている本作。Steamのストアレビューも、2万9000件以上ものユーザーから「非常に好評」との反響を獲得している。最大の売りは、泥臭いリアルさを追求した過酷な戦場だ。敵を視認しづらく、一瞬の油断が死につながる緊張感は、当時の戦場の理不尽さを追体験させられる。決して爽快なシューターではなく人を選ぶ渋さではあるものの、写実的に構築された第二次世界大戦を体験するにはうってつけの作品といえる。
『Hell Let Loose』はSteamにて、4100円でPC向けに配信中。2021年第4四半期(2022年1月から3月)には、PlayStation 5/Xbox Series X|Sに向けてもリリースを予定している。なお8月10日までは、無料でSilver Vanguard DLCを配信中。特別なユニフォームやヘルメットなどが手に入るため、興味があれば今のうちに入手しておこう。