任天堂のスマホゲーム『ドクターマリオ ワールド』11月1日をもってサービス終了。収益性の低さが指摘されてきたアプリ

 

任天堂は7月28日、スマートフォン向けゲーム『ドクターマリオ ワールド』のサービスを、11月1日をもって終了すると発表した。具体的には2021年11月1日15:00をもって終了するという。11月1日15:00以降はプレイも不可となる。同作の配信日は2019年7月ということで、2年4か月をもってサービスが終了されることになる。サービス終了後には、自身のプレイ履歴を振り返ることができるWebページ「ドクターマリオ ワールド メモリーズ」が公開されるとのこと。


『ドクターマリオ ワールド』は、スマートフォン向けアプリだ。LINEとの協業の一環となっており、同作の開発と運営にはNHN Entertainmentが携わっている。本作は、基本プレイ無料のパズルゲーム。落ちてくるカプセルの色を揃えて消す、『ドクターマリオ』もしくは『細菌撲滅』のルールをベースとしつつ、独自の要素をプラス。用意されたステージをクリアしていくステージモードや、世界の人々と対戦するVSモードが実装されており、リリース以降アップデートが続けられてきた。

リリース直後からデータ調査会社Sensor Towerなどが、自社データをもとに同作の傾向を分析。リリースから1か月時点での『ドクターマリオ ワールド』のデータをもとに、ダウンロード数こそ伸びていると報告しつつも、収益性の低さを指摘。任天堂の他アプリと比べても、収益性の低さがネックになっていると伝えられてきた(GamesIndustry.biz)。リリース1年経過時点でも、そうした収益性の低さは依然として課題であると、Sensor Towerは指摘していた(Pocket Gamer)。もちろんこれらは、あくまで非公式データをもとにした調査会社の分析。とはいえ、LINEやNHN Entertainmentと協業する上では、運営コストをまかなうために一定の売上がないと厳しいのかもしれない。

Image Credit : Sensor Tower / Pocket Gamer


任天堂はこれまで運営型のスマートフォンゲームを複数リリースしている。リリース開始後より圧倒的な人気を誇る『ファイアーエムブレムヒーローズ』、堅実な稼ぎを見せる『どうぶつの森 ポケットキャンプ』、大きな爆発力はないもののセールスランキングでは安定した順位を誇る『マリオカート ツアー』、そして根強いファンに支えられながら改善が続けられる『ドラガリアロスト』。いずれのタイトルも長らく運営が続けられている。そんな中、『ドクターマリオ ワールド』は任天堂のモバイルゲームとしてサービス終了に至ったわけだ。


『ドクターマリオ ワールド』公式Twitterアカウントには、サービス終了を惜しむ声が多く寄せられており、少なくないファンが同作をプレイしていたことがうかがえる。今後任天堂はふたたび、スマホゲーム向けにパズルゲームを提供することはあるのだろうか。