ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、PlayStation 5のデジタル・エディション本体について、マイナーチェンジしたモデルをまもなく出荷・販売するようだ。公式サイトにて取り扱い説明書が掲載されたほか、一部小売店では販売ページが公開され始めている。
PS5 デジタル・エディションは、光学ディスクドライブを搭載しないことで価格を抑えたモデル。ゲームや各種エンタテインメントコンテンツは、ダウンロードやストリーミングのみで楽しむことができる。光学ディスクドライブ搭載の通常版と同時に昨年11月にローンチしたが、まずはデジタル・エディションからマイナーチェンジがおこなわれるようだ。
PlayStationサポートサイトでは、PS5の取扱説明書(クイックスタートガイド・セーフティーガイド)のダウンロード版が配布されている。そこに、「CFI-1100B」という型番向けの説明書が追加された。初期モデルの通常版の型番は「CFI-1000A」、デジタル・エディションは「CFI-1000B」であることから、CFI-1100Bはデジタル・エディションのマイナーチェンジ版に相当することが分かる。ちなみに現時点では、通常版の新たな型番の説明書は存在しない。
SNS上では、CFI-1000BとCFI-1100Bの説明書の違いが指摘されている。ひとつは、PS5本体を縦置きする際に、ベース(本体スタンド)を固定するために使用するネジの形状だ。いずれも同じようなマイナスネジではあるが、CFI-1000Bではコインなどを使って締めるよう案内していたところ、CFI-1100Bにおいては手で締めることもできるとしている。イラストを見ると、ネジの頭の部分が厚くなり滑り止めの溝が彫られ、指でつまんで締めやすくなっていることがうかがえる。細かいことだが、より扱いやすくする改良点だろう。
そしてもうひとつ違いが指摘されているのが、仕様一覧におけるPS5本体の質量(重量)だ。CFI-1000Bが約3.9kgだったところ、CFI-1100Bは約3.6kgと記載されており、約300グラム軽くなっている。外形寸法は変わっておらず、そのほかの仕様も同じであることから、本体内部の何らかのパーツが変更されたものと推測される。
300グラムというとだいたいリンゴ1個分とされ、そう考えると小さくない変化に思える。一部では、本体底部(縦置き時)に配置され大きなスペースを取っていた、電源ユニットが小型化されたのではと予想する声も聞かれる。実際のところは販売が開始したのち、ユーザーによる検証を待つこととなるだろう。
歴代のPlayStation、あるいは他社のコンソールにおいては、各ライフサイクルのなかでモデルチェンジを繰り返してきた歴史がある。そのなかでは、本体デザインや仕様を大きく変えることもあれば、内部的な改善にとどまることもある。ソニーは今年5月に開催した決算説明会にて、PS5(通常版)は今年6月にも逆ザヤが解消されるとの見通しを発表。そうした収益性の改善に、パーツのコストダウンなどを経た新モデルの投入がおこなわれることがあり、今回明らかになったマイナーチェンジモデルはその一環かもしれない。
なお、PS5デジタル・エディション(CFI-1100B)は、一部の小売店ではすでに販売ページが設けられている。参考価格は初期モデルと同じ。掲載されている本体画像に違いは見られないため、デザインも据え置きのようだ。PS5の販売においては、多くの小売店で抽選販売を実施しているため、CFI-1100Bを選んで購入することは今のところ難しそうだが、徐々に初期モデルから置き換わっていくことになるだろう。