任天堂は7月19日、Twitterの企業広報/IRアカウントにて、メディア報道を否定した。Nintendo Switchをめぐっては、さまざまな噂が飛び交っているが、Bloombergの報道を否定したかたち。
まず否定したのは、Nintendo Switch(有機ELモデル)の収益性に関するBloombergの報道だ。望月崇記者と古川有希記者は共著にて、Nintendo Switch(有機ELモデル)は、現行のモデルと比べて、部品コストの上昇は約1100円にとどまると報道。米調査会社DSCCの田村喜男氏のコメントと、英調査会社オムディアの南川明氏のコメントを引用しつつ、「新型モデルの1台当たりの部品コストは約10ドル(約1100円)の上昇にとどまる」と言及した。
Nintendo Switch(有機ELモデル)は定価3万7980円(税込)であり、現行モデルの3万2980円よりも5000円高い。つまるところ、部品価格は1100円上がったのみだがゲーム機は5000円高くなるので、3900円の差分は収益性向上に寄与している、という旨の報道をしているわけだ。
任天堂はこの報道を否定。「2021年7月15日(日本時間)に、Nintendo Switch(有機ELモデル)が、Nintendo Switchよりも収益性が高まるといった趣旨の報道がされましたが、これは事実ではございません」とコメントしている。
さらに任天堂は続けて「また、当社は2021年10月にNintendo Switch(有機ELモデル)を発売いたしますが、現在それ以外の新たなモデルは計画しておりません」とコメントしている。こちらもBloombergの報道を指しているのだろう。前出の望月崇記者は、別記事にてNintendo Switch(有機ELモデル)以外の新モデルが発売される可能性も示唆。国内のコンサル会社カンタンゲームズのアナリストSerkan Toto氏のコメントを引用。Toto氏は、世界的な半導体不足にふれつつ、Nintendo Switch(有機ELモデル)はあくまで、そうした半導体不足の解消や『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』続編までをつなぐ、暫定モデルではないかとの見方を示していた。
任天堂といえば、基本的にメディア報道にはオープン。情報公開については独自路線を貫きつつ、報道機関の問い合わせなどには比較的柔軟に対応する。 訂正要求をするケースはほとんどない。一方で、一部メディアの飛ばし報道などには長年悩まされてきた。以前にも故・岩田聡社長が日経新聞の報道を強く否定していたが、今回はBloombergの報道を否定している。Bloombergは、世界的な経済誌ということもあり、ふたつの記事はグローバルに拡散されていた。任天堂自身が、そうした報道に釘を差したかたちだ。
Nintendo Switch(有機ELモデル)は、10月8日発売予定である。