『タイタンフォール』および『タイタンフォール 2』のハッキング被害激化、マルチプレイを遊ぶのも困難に。対応者も“1～2名”しかいない苦境

『タイタンフォール』および『タイタンフォール 2』がハッキング攻撃に遭っており、現在マルチプレイを遊ぶことが困難にある状況のようだ。さらに、Respawn Entertainmentにおける人員リソースの不足も明らかになっている。 

Respawn Entertainmentといえば今月7月4日から7月5日にかけて、『Apex Legends』における大規模なサーバーハッキング被害を受けた（関連記事）。同作内のプレイリスト表示やゲームモード選択画面になどに不審なメッセージが表示されるとの報告が多発。「SAVETITANFALL.COM」というURLと、「TF1 is being attacked so is Apex」というメッセージが表示され、国内外にて目撃例が伝えられた。ゲームモードが選択できずプレイを続けられない状態になるケースも発生。『Apex Legends』サーバー全体がハッキング被害を受けているとされた。 

同ハッキングは、『タイタンフォール』におけるハッキング被害改善を求めるウェブサイトへの誘導となっていた。そのため、ハッキングの犯行は昨今の『タイタンフォール』におけるスタジオの対応不足を糾弾する、一部の過激ファンによるものではないかとの見立てが強かった。わざわざ祝日に犯行を実行し、開発スタッフを休暇中に対応させたなどの悪質さから、『Apex Legends』ファン・『タイタンフォール』ファン双方より非難が集中した。またRespawn Entertainmentのコミュニティ＆コミュニケーションディレクターを務めるRyan K. Rigney氏もハッカーを批判。スタジオがすでに『タイタンフォール』ハッキング問題について言及している過去のツイートを引用しながら、Respawn Entertainmentはすでに同問題を把握済みであり、ハッカーによる“啓発”行為は何の意味もなさないものであると厳しく述べた。 
　

　
『Apex Legends』におけるハッキング被害は、7月5日までに収束。代わりに、これまでハッキング被害が深刻だった『タイタンフォール』に加え、『タイタンフォール 2』においてもハッキングが激化する影響が及んでいるようだ。海外掲示板Redditにおけるスレッドの報告によれば、『タイタンフォール 2』においては、複数の地域・データセンターにおいて大規模な接続妨害が発生中。同作のハッキングも以前から確認されていたものの、7月4日の『Apex Legends』におけるハッキング以降きわめて激しいものとなったようだ。PCプラットフォームだけでなく、PlayStation 4やXbox Oneユーザーにおいても被害が見られる。ユーザーによっては2500以上のping値が観測されたり、ロビーからキックされたりといった事案が生じているようだ。 

深刻なハッキング被害を受ける『タイタンフォール』および『タイタンフォール 2』だが、事態は『Apex Legends』のときほど容易には収束しないかもしれない。Respawn EntertainmentにおけるコミュニティコーディネーターであるJason Garza氏は6月29日、自身のライブストリーム配信を実施。そのなかで、現在スタジオにおいて『タイタンフォール』シリーズの対応に当たっているスタッフがわずか「1～2名」しかいないことを明かしている。残りの開発スタッフは、みな『Apex Legends』にアサインされているとのことだ。 

Garza氏はくわえて、『タイタンフォール』シリーズの問題についてスタジオが沈黙を守っている理由についても言及。DDoS攻撃を仕掛けている犯人にスタジオ側の動向を悟られないため、具体的な施策についてはいえず「対応中である」との声明しか出せないと説明している。Garza氏はこれらの厳しい状況について言及しつつ、「『タイタンフォール』コミュニティは忘れられても、見捨てられてもいない」と強調。今後も同作におけるサポートを続けていきたい意思を表明した。 
　

＊動画の10分00秒ごろより、Garza氏から『タイタンフォール』シリーズへの言及。 

　
『タイタンフォール』および『タイタンフォール 2』におけるハッキング犯行がいかなる目的によるかは不明。しかしながら、『タイタンフォール』のハッキング被害を訴えるための『Apex Legends』ハッキングをきっかけとして、『タイタンフォール 2』にまで被害が及ぶようになったのは皮肉な事態だ。いずれの作品のファンにとっても、現在の状況は痛ましいもの。一刻も早く、プレイ環境が安定することが望まれる。