『Apex Legends』のランクマッチについて、参加要件の変更が検討されているようだ。開発者がその可能性を示唆している。本作において、多くのプレイヤーがメインで励んでいるランクマッチ。しかし、すべてのプレイヤーがランクマッチに参加できるというわけではない。参加するには、「プレイヤーレベル10以上」という要件を満たしている必要があるのだ。とはいえ『Apex Legends』を始めたばかりの時点では、レベル上げは容易。ゲームを開始して数時間もプレイすれば、誰でもランクマッチに参加が可能となっている。
この仕様について、制限を加えようという議論は以前から挙がっていた。というのも現状のランクマッチでは、チーターがあまりにも多く見られるためだ。高ランク帯においてもチート利用者が数多く目撃され、日々不正ユーザーのBANが続いている。とはいえチーターのアカウントを停止してもすぐ新たな別のアカウントが作られ、少しプレイすればふたたびランクマッチに参加可能に。チーター対策についてはいたちごっこ状態が続いており、開発者の悩みの種となっていた。
こうした動きについては、6月にも話題に。Respawn Entertainmentにてコミュニティ・コミュニケーションディレクターを務めるRyan K. Rigney氏がランクマッチにおけるチーター対策として、バトルパスを絡める提案をした(関連記事)。ランクマッチの参加要件に「一度でもバトルパスを購入したことがあるユーザー」という条件を加えることで、チーターの増加を抑えるねらいだ。本件についてはTwitter上でユーザーの意見が募られ、多くの好意的な反響を得ていた。リアルマネーが絡むだけに本案がすぐに採用されるとは限らないが、開発チームにてランクマッチの制限強化が検討されていることはすでに明かされていたわけだ。
今回明かされたのは、ランクマッチの参加要件に関する別の方向性の案だ。『Apex Legends』開発者を招いてのPodcast「Apex Uncut Podcast」にて、アソシエイトライブバランスデザイナーのJohn Larson氏が語っている。同氏が語るランクマッチの参加要件はよりシンプルなもので、「参加に必要なレベルを引き上げる」というもの。Larson氏は「25や50」などの数字を候補に挙げつつ、参加要件のレベル引き上げを「実行可能」な選択肢の一つとして示唆している。ただし、現状のレベル10に到達したばかりのプレイヤーをランクマッチから締め出してしまうという点については、加味する必要があると考えているようだ。
このほか、たびたびユーザーから言及される「二段階認証」の導入についても言及。多くの人が有効性を信じている二段階認証だが、Larson氏としては、なりすましが容易であるとして採用には積極的でないようだ。ちなみに二段階認証についてはRigney氏も先日のアンケートの際、仮想携帯電話番号による偽造が容易すぎると指摘している。このほかストリームでは、「あまり頻繁にランクマッチを遊ばないプレイヤーについて、RPを減少させる」との案についても言及された。頻繁に遊ぶプレイヤーの方がRPが減少するリスクが高く、ほとんどランクマッチに触らないプレイヤーの方がRPを高いまま保持できるという問題については、開発チームも把握済みとのこと。現在、改善に向けて検討が進められているようだ。またランクマッチとカジュアルのマップローテーションを一致させることについても検討されたが、RPの不正取得などの課題が残っているという。
*1時間1分19秒ごろより、ランクマッチについてLarson氏のQ&A。
『Apex Legends』のランクマッチにおけるチーター問題はここ最近でとりわけ注目度が高まっている。6月末にはRespawn Entertainmentに対策強化を求める「#SaveApexRanked」(『Apex Legends』のランクマッチを救ってください」)タグがTwitterにてムーブメントを起こした(関連記事)。今回のストリームにて、開発チームも対策を検討していることが明らかになったが、はたして実際にどのような対応がとられるのか。今後のRespawn Entertainmentの動向に注目したい。