アメリカのオークションハウスHeritage Auctionsは現地時間7月9日、NES(海外版ファミコン)向けの未開封の『The Legend of Zelda(ゼルダの伝説)』が、87万ドル(約9600万円)で落札されたと発表した。ビデオゲームの落札価格としては過去最高とのこと。
今回出品されたのは、1987年にアメリカで発売されたNES向け『ゼルダの伝説』だ。1億円に迫る超高額落札となった背景には、状態の良い未開封品であるというだけでなく、非常にレアなバージョンだったことがあるという。同じソフトであっても、製造時期などによりパッケージングに細かな変更が加えられることがあり、いくつか生まれるバリエーションのなかには希少性が高いと評価されるものも出てくる。
今回の場合は、1987年後半のわずか数か月間だけ製造されたバージョンで、未開封品としては、コレクター向けゲーム評価・認証サービスWataGamesにわずか2本しか登録されていないものだそうだ。その内の1本が出品された。パッケージ表面下部に「Nintendo ENTERTAINMENT SYSTEM®」と「®」表記での記載があり、さらにその右側に「REV-A」という表記が存在しないことが見分けるポイントとのこと。翌年1988年前半に、REV-A表記のあるバージョンに置き換わる。
そのような非常に貴重なソフトが出品され、最終的に87万ドル(約9600万円)で落札。ビデオゲームのオークション落札価格記録を更新することとなった。ちなみに、それまでの最高記録は66万ドル(約7300万円)だった。それは今年4月に出品されたNES版『スーパーマリオブラザーズ』で、やはり希少なバージョンの未開封品だったそうだが、今回およそ2000万円も上回る結果となった。
NES版『ゼルダの伝説』としては、先述した「Nintendo ENTERTAINMENT SYSTEM®」表記になる以前は、「Nintendo ENTERTAINMENT SYSTEM™️」と表記されていたそうで、それが最初期に生産されたバージョンになるという。その未開封品は、現時点ではたった1本しか存在が確認されていないといい、もしいつかオークションに出品されれば、今回を上回る大変な価格がつくことになるかもしれない。