デベロッパーのHypixel Studiosは7月2日、現在手がけているサンドボックスRPG『Hytale』の、この半年間の開発状況について報告した。このなかでは、少なくとも2023年までに本作が発売されることはないとし、まだまだ開発に時間がかかることを明らかにしている。
本作は、『マインクラフト』の人気サーバーのひとつHypixelの運営チームが手がけるサンドボックスRPGだ。自動生成された広大なファンタジー世界での生活や冒険を楽しめるほか、Hypixelサーバーでもおなじみのマルチプレイ対戦などのミニゲームも多数用意。さらに、動画撮影やキャラクター作成、各種モデリング・アニメーション制作、ゲーム内スクリプト作成などのためのツールも提供し、非常に自由度の高いゲーム体験を可能にするとしている。
＊2018年に公開された発表トレイラー
今回の報告では、まず『Hytale』の開発に時間がかかっていることの説明がおこなわれた。本作は2018年に正式発表され、当初は2021年にはリリースされる予定だったが、冒頭で触れたとおり、少なくとも2023年までに発売されることはないという。この背景としては、ひとつにはHypixel Studiosの規模が拡大し、できることが増えたことが挙げられている。同スタジオはかねてよりRiot Gamesから支援を受けていたが、2020年4月に正式に傘下入りしている。人員もリソースも充実したことで、よりじっくりと開発に取り組むとしている。
ふたつ目の理由には、可能な限り近い時期に複数のプラットフォームにてリリースすることを目指していることが挙げられた。PCだけでなく、コンソールやモバイルでの展開も計画しているとのこと。ただ、それぞれのリリース時期がバラバラになると、ゲームのバージョンも時期によりまちまちになり、コミュニティが分断してしまう。これを避けるためには同時期にリリースする必要があり、そのためには本作のゲームエンジンや、発売までのアプローチを見直さなければならず、結果的に開発期間も長引いてしまうとのこと。
本作の開発状況については、まずプレイヤーの分身となるアバターについて紹介されている。アバターは、宇宙規模の神秘的な出来事によってAlterverseと呼ばれる世界にやってきた人々という設定。プレイヤーはアバターについて、顔や目、髪などの基本的なパーツに加え、衣装なども自由にカスタマイズ可能だ。開発チームはレイヤーシステムの拡張に取り組んでおり、これによって服装や装備をより高度にカスタマイズできるようになるとのこと。また、そうしたパーツやアイテムの選択肢を増やす作業もおこなっているそうだ。
戦闘システムの、全面的な再構築にも取り組んでいるとのこと。変更点のひとつとしては、アバターが持つ武器関連が挙げられている。アバターがどういった武器を所持しているかによって戦闘スタイルが決まり、また固有アビリティが利用可能になるとのこと。それぞれの武器の個性を感じられるような調整をおこないたいとしている。さらに、新たな戦闘システムに合わせてUIを変更し、攻撃時のエフェクトやサウンドも一新しているそうだ。
この半年間には、NPCのAIシステムの拡張にも着手。Combat Action Evaluatorと呼ばれる新システムによって、NPCはターゲットや武器、戦闘へのアプローチについて、より賢い判断ができるようになり、PvEに深みや多様性をもたらすことに成功したとのこと。NPCは、敵の数や状況などから、攻撃の対象やタイミング、あるいは武器の切り替えや逃走などを判断する。一方で、曖昧さを残すことで、行動を予測しにくくする工夫も盛り込んでいるという。
開発チームはこのAIシステムの出来には満足している様子で、PvPが得意なスタッフがNPCと戦って敗れることもあったそうだ。また、新たな武器をテストする際にも、このAIが役立っているとのこと。
＊本作に収録予定のサウンドトラックの新曲も披露された。
今後については、ファンとのコミュニケーションを深めながら、開発アップデートを届けるとのこと。報告の頻度は減る見込みだが、その分充実した内容を披露するとしている。また、これまで毎週披露してきたスクリーンショット投稿については、今後しばらくは難しくなるとしている。今回技術的な変更をおこなったことで、製品版の体験を反映したものを提示できるかどうか不透明だからだそうだ。
『Hytale』の発売時期は未定。少なくとも2023年までに発売されることはないという。誤った発売時期を提示することはしたくないとして、現時点では具体的な予定は発表しないとのことだ。今回の報告の詳細については公式サイトを確認してほしい。
