『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』マスターソードを“試練なし”で入手する方法が発見される。焚き火で寝れば手に入る退魔の剣
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にて、マスターソードをおかしな方法で入手する方法が発見された。RTAなどでも利用できるとされており、同作のやりこみコミュニティ内で話題を呼んでいる。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』におけるマスターソードは、コログの森で入手できる剣だ。退魔の剣と呼ばれており、厄災に対抗し得る強力な武器として封印されている。威力が高いほか、体力満タン時はビームを放ったり、耐久値がゼロになっても壊れないなど、同作の武器の中でも屈指の性能を誇る。しかし、入手するには一手間かかる。コログの森奥深くへ行く必要があるほか、ある種の試練をこなす必要があるのだ。そうした試練を大幅に省略してしまうというのが、今回の発見である。
試練とは、一定数以上のハートの要求だ。マスターソードを抜こうとすると、ハートを削るイベントが発生し、一定以上のハートがなければ獲得できない。初期の3個のハートのほか、さらに10個のハートが必要。ハートを増やすには神獣解放のほか、試練の祠をこなす必要があり、ある程度ゲームを攻略することが暗に求められている。マスターソード入手はあくまで任意イベントであるが、とはいえ本作屈指の武器はやはり入手しておきたいところ。デクの樹さまを前にして、マスターソードを引き抜けず再訪を強いられたプレイヤーも多くいるだろう。その試練のフェイズを手軽にスキップする方法が見つかった。
発見者はオカメいんこさん。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のやりこみを続け、弊誌でも幾度か名前を挙げさせていただいたプレイヤーだ。同氏の動画では、リンクがマスターソードのそばで焚き火を起こし、一晩過ごし、そのまま演出などなく退魔の剣を獲得している。マスターソードを引き抜くこともなく、落ちているものとして入手した。つまり、焚き火をたいて一晩過ごすだけで、試練なくマスターソードを手に入れたのだ。デクの樹さまも当然無言。かなりシュールな光景だろう。
オカメいんこさんは続けて、今回の現象を、より手軽に再現できる方法を模索。台湾のプレイヤーYuda氏による「カメラ角度を変える」方法が最安定版であるとしている。実際のところ何が起こっているのか。推測にはなるものの、「朝5時になるとオブジェクトの読み込み直しがおこなわれ、その読み込みの過程でマスターソードがオブジェクトとして置かれる瞬間がある。その際に、オブジェクトとして拾うことができる」といった理屈が考えられる。
Yuda氏のやり方としては、マスターソードと焚き火の近くに身を置き、カメラ視点を上にすることで、マスターソードを「ぬく」コマンドを、焚き火で「ひまをつぶす」コマンドへ変化させる。起きてそのままA連打することで、“読み込み中”の世界にてマスターソードを獲得するやり方だろう。読み込み中の世界でいかに速くマスターソードにアクセスできるかが、肝になりそうだ。グリッチでマスターソードを入手したとしても、台座には“透明のマスターソード”が存在するので、改めて一連のイベントを確認することができる。
実は、マスターソードを試練なしに入手するグリッチは以前にも発見されている。ウツシエとジャイロのグリッチを組み合わることで、ハートに関するイベントをスキップしてマスターソードを獲得できた(日本ブレスオブザワイルド学会)。同グリッチも発見時は話題となった。同グリッチ では、特定の祠に行ったりするなど、やや複雑な手順を踏む必要があった。しかし今回のグリッチでは、焚き火さえ起こせれば再現できる。すなわち、RTAなどの大幅な時間削減にもなるわけだ。
※ 以前見つかっていた、ハートの要求なしマスターソード入手
今回の発見は、その手法自体もシンプルかつユーモラスで、話題にのぼっている。オカメいんこさんも「炎の矢1+薪1=マスターソード」とツイートしており笑いを誘っている。伝説の剣が、その前で焚き火をたいて一晩眠るだけで手に入るというのは、どこかシュールなものがある。さらに朝5時に世界が読み込み直される(と考えられる)仕様についても、さらなる研究が進められている。このグリッチがどのようにRTAに用いられるのだろうか。やりこみプレイヤーという名の研究者たちによるハイラル研究は、まだまだ終わりそうにない。