デベロッパーのRemedy Entertainmentは6月30日、『Condor』というコードネームがつけられた開発中の新作について、パブリッシャーの505 Gamesと共同販売することで合意したと発表した。『Condor』は、2019年に発売されたアクション・アドベンチャーゲーム『Control』と世界観を共有する、4人協力PvEゲームになるという。
『Control』は、政府の機密機関である連邦操作局の本部オールデスト・ハウスを舞台に、主人公ジェシー・フェイデンが異世界の脅威ヒスに立ち向かう作品だ。超自然的な現象をテーマにしており、超能力で周囲のオブジェクトを操ったり、変形する武器にて戦うゲームプレイ、そして謎めいた物語が特徴となっている。同作は好評を博し数多くの賞を受賞。これまでに200万本以上を売り上げている。
同作にてゲームディレクターを務めたMikael Kasurinen氏は、『Control』の世界にはジェシーやオールデスト・ハウス以外にも、数多くの物語やイベント、キャラクターが存在すると述べる。そして『Condor』は、そうした世界観のひとつを表現するスピンオフ作品になるという。
Remedyというと、『Max Payne』や『Alan Wake』『Quantum Break』など、物語主導のシングルプレイゲームを手がけてきたことでよく知られる。同スタジオ自身、そうした作品を得意としていることを語ってきた経緯があり、またKasurinen氏も今回の発表のなかで触れている。ただ、スタッフらはマルチプレイゲームの熱心なファンでもあり、開発の合間に楽しむこともあるという。
Kasurinen氏は、物の見方や技術面を考え直すことが求められるとしたうえで、RemedyのDNAを失うことなく、プレイヤーが体験を共有できるマルチプレイゲームを作ることは可能だと信じていると述べる。また、マルチプレイであっても、物語を伝えることは引き続き重視しているようだ。
今回発表された『Condor』は、Remedyの独自ゲームエンジンNorthlightを用いて、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに開発中。発売時期は未定だ。4人協力PvEゲームという以上の具体的なゲーム内容は明らかになっていないが、Kasurinen氏によると、上のコンセプトアートにてどういう作品であるかが上手く表現されているという。
役所のような場所で、整理券をもらって順番待ちをしている4人は、プレイヤー側のキャラクターたちだろう。それぞれクラスが異なるであろうことや、銃を使って戦うことがうかがえる。そして手前には、袋詰めにされた人物が横たわる。協力して敵を捕獲する要素が存在するのかもしれない。
本作には、当面の開発費として2500万ユーロ(約33億円)が投じられているとのこと。開発費およびマーケティング費用はRemedyと505 Gamesが半分ずつ出し合い、収益も50:50で分配することで合意したそうだ。
Remedyと505 Gamesは、『Control』において20年間という長期パートナーシップを2017年に締結。『Condor』での協業は、その延長線上にあるといえるだろう。また今回の発表のなかでは、『Control』の世界観をさらに拡張する、より予算規模の大きな作品についても、両社が協力して取り組むことが明らかにされた。詳細は今後発表するとのこと。
なお、Remedyは『Condor』以外にも、『Vanguard』と呼ばれる運営型タイトルを手がけており、またSmilegateのFPS『CrossfireX』ではキャンペーンモード開発を担当。さらに、Epic Gamesと提携して何らかの作品に取り組んでいることも明らかになっている。多忙な実力派スタジオには今後も目が離せない。