『Apex Legends』凶悪「レヴナント+オクタン」漁夫の利戦術に開発者が言及。「ワットソンはキャラ人気だけ」との批判に反論も


日本時間で6月30日からコレクションイベントが開始した『Apex Legends』。旧マップの期間限定復活やスカルタウンのアリーナモード実装など、注目ポイントが盛りだくさんのアップデートとなっている。そうしたなか、やはり気になるのは各レジェンドの調整内容だろう。イベント開催に先立つ6月28日から29日にかけて、各レジェンドの調整について開発者から補足が伝えられた。Twitterにてスレッドを立てたのは、アソシエイトライブバランスデザイナーのJohn Larson氏。同氏は、ユーザーから寄せられたさまざまな疑問に対し回答をしている。 

まずは、「ブラッドハウンド弱体化は競技環境におけるメタを変更しうるか?」という質問。ブラッドハウンドといえば最新のアップデートにて弱体化が実施。戦術アビリティのスキャン持続時間が4から3秒に減少しているほか、アルティメットの持続時間も35から30秒に減少した。先述の質問に対しLarson氏は、すぐにレジェンドのピック状況に影響が出ることはないだろうと述べるにとどまる。 
 

 
しかしスキャンの持続時間について、25%の削減はかならず影響をもたらすだろうと言及。従来の、スキャンされた瞬間身体がすくむような感覚を軽減することを期待しているとした。ちなみにLarson氏によれば、ブラッドハウンドは公式大会のヨーロッパ・中東・アフリカ地域にて、クリプトやヴァルキリーといったほかのリコン型レジェンドよりもピック率が低く、往時のピークを過ぎた感があるという。 

またLarson氏は、「スキャンされた敵影を(チーム全体ではなく)ブラッドハウンド本人にのみ見えるようにする」というユーザー発のアイデアにも触れた。ただしこの案は多くのプレイヤーにとって、チーム全体におけるユーティリティとアクセシビリティを下げる非常に強引な弱体化に思うと言及。実現には積極的でないようだ。また「フラッシュスキャン(一瞬だけ敵影が見える)にする」というアイデアに対してはLarson氏も好意的なものの、視覚情報的な問題から採用には慎重なようだ。ブラッドハウンドについては、今後も必要に応じて、強力になりすぎないようにしつつ学習曲線をゆるやかに保つ調整が検討されるそうだ。 
 

 
また、レヴナントとオクタンの組み合わせについても言及。いわゆる「レヴタン(Revtane)」と呼ばれる同組み合わせは、オクタンのジャンプパッド強化がきっかけで大きく幅を利かせている戦法だ。遠距離に敵パーティを見かけたら、レヴナントのデストーテムを出し、そのままジャンプパッドの長距離跳躍で突撃。一度の襲撃で二度相手に攻め入れるほか、仮にやられたとしても遠距離のトーテムに戻されるだけなので、反撃に遭うおそれもない。非常に強力な「漁夫の利」戦略として愛用、ないし嫌われている作戦の一つだ。 

Larson氏はまず今回のレヴナント強化を受けて、同レジェンドのピック率が上がるはずだと推測。あわせて、レヴタンの遭遇例や、ほかレヴナントのUltが“チープに”感じられる機会も増えるだろうとしている。デストーテムの距離制限を設けることは同戦法にとって致命的であるため、先に「プロテクション(影モード)の持続時間を5秒短縮 」し、時間制限における弱体化を施したとのことだ。 

Larson氏の見立てによれば、レヴナントのUltでもっともフラストレーションを感じられるのは、相手がどこからともなく現れることだ。レヴタンによる漁夫の利攻撃に対し、よりよく反応できるようにしていくことが、最適な改善になるだろうと見解を述べている。Larson氏は自身のプレイでも「納得のいかない死に方」「すっきりしないキルのとり方」の映像を収集しているとのこと。コミュニティから寄せられた映像やバグ報告も引き続きチームで共有していきたいとの考えを示している。 
 

 
またLarson氏以外の開発者が反応を寄せた一幕もあった。あるユーザーはワットソンの性能に対し不満を提言。彼女のキャラクターデザインやVO、性格などがなければ多くの人が彼女をメインで使わなかっただろうと述べ、その能力が「非常に簡単で対抗しやすい」と苦言を呈している。ここに反論を述べたのが、リードゲームデザイナーのDaniel Zenon Klein氏だ。「ワットソンの能力はカウンターしやすいため、彼女はめったにプレイされない」とするユーザーの意見は正しくないとし、ワットソンのアビリティがもたらす影響力の強さを強調。勝率においてはレイスやライフラインよりも上だと明かしている。 

ただし、ワットソンのアビリティに関する「使っていて楽しくない」「パワーを感じにくい」という弱点はKlein氏も認めるところであるという。勝率という数字につながりやすいパワーは測定しやすいものの、プレイヤーがどう感じるかという感覚的な面は調整が難しいようだ。Klein氏によれば、今後ワットソンに調整を入れる予定はあるとしている。ただし純粋な強化ではなく、ゲームを歪めない程度に弱体化も含めての変更となるそうだ。 
 

 
このほか、Larson氏によればジブラルタルの高レベル帯ピック率を制御するため、ほかのサポート系・漁夫リセット系キャラクターを魅力的にするための方針が検討されているようだ。またコースティックについては、Klein氏いわく今後のパッチで対応の予定があるとのこと。今日から配信されたアップデート後の環境を見て、こうした調整方針も随時更新されていくことだろう。 

『Apex Legends』コレクションイベント「ジェネシス」は現地時間7月13日まで開催中だ。