インディーデベロッパーのTeam Salvatoは6月23日、開発ブログを更新。そのなかで、6月30日に発売を予定している『Doki Doki Literature Club Plus!(ドキドキ文芸部プラス!)』における新オプションを紹介している。
『Doki Doki Literature Club Plus!』は、2017年にリリースされた『Doki Doki Literature Club!(ドキドキ文芸部!)』に追加要素を収録したノベルADVゲームである。主人公は、無気力な高校生活を送る男子生徒。ある日なりゆきから「文芸部」に入部したことで、4人の女子生徒との交流が始まる。幼馴染で、みんなを幸せにしようと頑張るサヨリ。ちょっと意地っ張りだが、可愛いものが好きなナツキ。物静かで、ミステリアスな雰囲気の漂うユリ。そして文芸部の頼れる部長、モニカ。ゲームでは女の子たちとの交流が描かれるほか、詩の制作に挑むミニゲームも存在。互いの作品を通じて理解を深める文芸部らしい一幕も描かれる。
ただし、『Doki Doki Literature Club Plus!』には異なる側面もある。それは、本作のジャンルが「サイコホラーゲーム」であるという点だ。ストアページに「お子様向けではない内容、および刺激の強い表現が含まれています」と記載があるとおり、一部のユーザーにとっては衝撃的な演出も含まれている。『Doki Doki Literature Club Plus!』においては、そうしたセンシティブな内容に触れるユーザーにとって、より多くの選択肢を与える工夫がなされているようだ。
まず第一の変更点として、作中に登場するコンテンツ警告リストをゲーム内で閲覧可能となる。『Doki Doki Literature Club Plus!』内に含まれるセンシティブな要素を、ネタバレ込みで事前に一覧で確認できるわけだ。こちらはもともと、オリジナル版『Doki Doki Literature Club!』にて、URLを経由してウェブブラウザから確認することができた内容。今回、複数プラットフォームでリリースされるにあたり、さらに拡張された警告リストをプレイ前にゲーム内にて確認できるようになっている。
そして第二の変更点として注目したいのが、設定画面から選択できる「事前警告」機能だ。こちらを有効化しておくと、ゲームをプレイ中にセンシティブな内容を含むおそれのある演出が入る直前、小さく警告表示が表れるようになるのだ。事前にすべてのネタバレリストを見るのは嫌でも、びっくりするようなタイミングで衝撃的な演出が入るのは心臓に悪い……といったプレイヤーに向けてのオプションといったところだろう。本機能は、ゲーム中に設定画面からいつでもオンオフ切り替えが可能。警告が表示されるシーンについては細心の注意を払って設定したものの、リリース後もユーザーの反応を見て徐々に表示箇所を加えるなどのアップデートをおこなっていくようだ。ちなみに本機能は、2020年に発売されたRPG『Ikenfell』を参考に設計されているとのこと。
Team Salvatoはセンシティブなコンテンツに関する警告を、アクセシビリティの問題として捉えているようだ。『Doki Doki Literature Club!』はもともとホラーとしての側面だけでなく、キャラクターやストーリーの魅力に関しても評価の高い作品。今回のオプションが追加されたことで、ドキドキ展開を楽しみたいプレイヤーだけでなく、より幅広いユーザーが作品を手に取る機会が生まれそうだ。ブログ全文についてはこちらを参照されたい。
『Doki Doki Literature Club Plus!』は、海外向けに6月30日リリース予定。対応プラットフォームは、PlayStation 4/PlayStation 5/Xboxプラットフォーム/Nintendo Switch/PC(Steam/Epic Gamesストア)となっている。なお、Steamのストアページに日本語対応表記があるものの、国内向けのリリースについては明らかになっていない。