デベロッパーのSupergiant Gamesは6月24日、ローグライク・アクションゲーム『HADES』のNintendo Switch版を国内配信した。価格は2800円。海外では先行して配信され高評価を得ており、今回日本語ローカライズを経てついにリリースとなった。
『HADES』は、ギリシャ神話をモチーフにした、見下ろし型視点のローグライク・アクションゲームだ。主人公は、冥界の神ハデスの息子ザグレウス。彼は父親への反発もあり、地下に広がる冥界での生活にうんざりし、オリュンポスが存在する地上世界への脱出を決意。何者も脱することは叶わないという、ハデスが統べる冥界での戦いに挑む。
冥界は4つのエリアに分かれており、各エリアは多数の部屋にて構成。部屋に現れる敵をすべて倒しては次の部屋へと進み、少しずつ地上へと登っていくのだ。エリアの最後には、ハデスが差し向けた刺客であるボスも待ち受けている。
ザグレウスの初期武器には剣が用意されており、ゲームを進めるなかで槍や弓、盾、銃、グローブといったタイプの武器をアンロック可能。それぞれ通常攻撃と特殊攻撃を使い分けることができ、たとえば槍であれば、通常攻撃は素早い近接攻撃となり、特殊攻撃は槍を投げてから引き寄せる遠距離攻撃となる。武器によってプレイスタイルが大きく変わるため、好みで選択すると良いだろう。また魔弾という、武器とは別の攻撃スキルも存在する。ダッシュを駆使して敵の攻撃をかいくぐり、次々に現れる敵を葬っていこう。
部屋をクリアした際には報酬を獲得できる。その報酬として入手できるもののひとつとしては、オリュンポスの神々から授かる祝福が挙げられる。祝福は、主に武器のアップグレードとなっており、基本的には攻撃力がアップするものだが、出会う神によって異なる特性が加わる。
たとえば、アルテミスはクリティカル率がアップし、ポセイドンはノックバックが付加、ゼウスは周囲に伝播する電撃が攻撃に備わる。このほかにもさまざまな神々と、武器以外の強化を含む効果が存在し、ランダムで提示される3種類から選択してアップグレードするのだ。武器によって特に相性の良い祝福もあり、そうした組み合わせを見つける楽しさがある。
報酬にはこのほか、祝福を受けた武器のレベルを上げるアイテムや、ショップで使用できるお金、アンロック要素に使用するアイテムなどが存在。次の部屋への扉には、そうした種類が表示されるため、複数の扉がある場合は選択することができる。次にどのような祝福やアイテムが現れるのかはランダムだが、ある程度方向性をもって強化していくことができる仕組みだ。
道中で死んだ場合は、冥界にあるハデスの館に戻され最初からやり直し。前回プレイでのアップグレードもすべて失われる。ただし、先述したアンロック要素にかかわるアイテムは引き継ぎ可能。アンロック要素には、ザグレウスの基本的な能力のアップグレードや、武器のアンロック、ハデスの館のデコレーションアイテムなどがある。
本作は、何度も繰り返しプレイすることを前提としたゲームデザインとなっており、やり込み要素も豊富。そうしてプレイを重ねるなかで交わす、NPCたちとの会話を通じて物語が展開する。ハデスはもちろん、ザグレウスと親戚関係にあるオリュンポスの神々や、立ちはだかるボス、あるいはハデスの館で暮らす人々や、道中で出会う人々などと、プレイするたびに新たな会話が発生。ザグレウス自身や、周囲の人々のあいだでの、家族や人の繋がりをテーマにした物語が、少しずつ紡がれていく。
また、特定のNPCに対しては贈り物をできる要素も存在。親密度が高まれば、さらなる会話やイベントが発生する。本作のテキスト量は非常に膨大で、それが日本語ローカライズに時間がかかった理由のひとつだったようだ。
『HADES』は、Nintendo SwitchおよびPC向けに配信中。また、8月13日にはPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One版も発売予定だ。Xbox Game Passにも提供される。なお、Nintendo Switch版とSteam/Epic Gamesストア版のあいだではクロスセーブに対応しているため、これまでSteam/Epic Gamesストア版をプレイしていた方は、その続きをNintendo Switchにて楽しむことも可能である。