PS5サバイバルホラー『Abandoned』、やっぱり『サイレントヒル』と関係ないのか。勝手に“小島秀夫監督”にされたディレクターが否定


PS5向けサバイバルホラーゲーム『Abandoned』を開発中のBLUE BOX Game Studiosは6月22日、ゲームディレクターを務めるHasan Kahraman氏によるビデオメッセージを公開した。同作をめぐっては、実は“小島秀夫監督が手がける『サイレントヒル』シリーズ新作”ではないかとの噂が絶えず、開発者による肉声にて否定したかたちだ。
 

 
『Abandoned』は、今年4月にPS5独占タイトルとして発表された。PS Blogにてその概要を説明していたのがHasan Kahraman氏だ。開発元BLUE BOX Game Studiosのなかで、表立って活動している唯一の人物ともいえる。ビデオメッセージにてKahraman氏は、自身は実在の人物であり、役者でもないとコメント。そして、小島監督とは何の関係もなく、『サイレントヒル』には携わっていないと述べている。

『Abandoned』については、現時点ではティザートレイラーが公開されているほか、主人公のJason Longfieldが何者かに拉致され、謎の森にて目を覚ますという設定が明らかにされている。ジャンルとしてはホラーサバイバルシューター。ゲーム画面にHUDは存在せず、残弾は手動で確認する必要があるなど、現実に即した銃の扱いが特徴のひとつになるという。また、非常にリアルなビジュアルも見どころとなっている。
 

 
本作がどのような作品となるのかまだまだ謎が多いなか、今年6月になって突如『サイレントヒル』との関連が噂されるようになった。きっかけは、BLUE BOX Game Studiosが投稿した「Abandoned = (First letter S, Last letter L)」というツイートだ(現在は削除済み)。「『Abandoned』は、Sから始まり、Lで終わる」としており、すなわち『SILENT HILL』を意味しているのではないかとの憶測を生んだのだ。『サイレントヒル』シリーズに関しては、小島監督が新作を手がけているのではとの噂が一部で駆け巡っていたという背景もある(関連記事)。

その後、Hasan Kahraman氏のイニシャルが小島監督(Hideo Kojima)と同じであることや、上のトレイラーの49秒あたりに映る壁に書かれた文字の、ちょうどPとTにあたる部分だけ木で隠されている点なども注目されることに。開発中止となった『SILENT HILLS』のプレイアブルティザー『P.T.』との繋がりを感じさせるというわけだ。
 

 
さらに、かつて同スタジオが手がけていたらしき『The Lost Tape』という作品名が、『METAL GEAR SOLID V』のサウンドトラックのタイトルと同じであるとか、スタジオ名のBLUE BOXは、電話料金をごまかす装置を意味する言葉でもあり怪しいという指摘も。また、BLUE BOX Game StudiosスタッフのものとみられるLinkedInプロフィールの肩書きが、「Chief Fake Officer」とされていることも疑惑を深めることとなった。

メッセージのなかでHasan Kahraman氏が、自身は実在の人物であり、役者でもないと述べたのは、かつて『METAL GEAR SOLID V』が発表された際の手法を再現しているわけではないという意味だろう。当時同作は、Moby Dick Studioという架空のスタジオと、役者が演じる開発者Joakim Mogrenによる謎の作品『The Phantom Pain』として披露された。
 

 
こうした噂が広まるなかBLUE BOX Game Studiosは、『サイレントヒル』やコナミ、そして小島監督とは一切関係ないと釈明。先述したほのめかしツイートも、『サイレントヒル』を意図したわけではないと説明している。そのうえで、今回Hasan Kahraman氏本人があらためて噂を否定し、事態の沈静化をはかったかたちである。

BLUE BOX Game Studiosは、近くライブ配信にてQ&Aセッションをおこなう考えを示している。そこでファンからの質問を受け付けて、同スタジオや『Abandoned』に関する誤解を解き、噂についてもクリアにしたいとのこと。また、PS5上で動作するゲームプレイ映像を、海外時間6月25日に公開することも明らかにしている。

『Abandoned』は、PS5向けに2021年第4四半期に発売予定。BLUE BOX Game Studiosは、いずれPCでも発売する可能性についても示唆している。