『ポケモン』公式が「#Newポケモンスナップへたくそ写真選手権」を開催。あえて下手な写真を募る試み


株式会社ポケモンは同社のTwitterアカウントのひとつ「ポケモン情報局」にて、「Newポケモンスナップへたくそ写真選手権」を開始した。『New ポケモンスナップ』にて撮った写真を、ハッシュタグ「#Newポケモンスナップへたくそ写真選手権」をつけて投稿することで参加できる、カジュアルなイベント。しかしながら、株式会社ポケモン公式が先導する活動にしてはかなり興味深いものとなっている。


『New ポケモンスナップ』は、今年4月30日に任天堂より発売されたNintendo Switchタイトル。開発を手がけるのは、バンダイナムコスタジオだ。主人公はポケモン研究者であるカガミ博士の依頼を受け、未開の地レンティル地方を舞台に、写真を介してポケモンたちの生態系を調査していく。レンティル地方にはさまざまなロケーションが存在しており、プレイヤーはネオワン号に乗って各地を探索。ネオワン号は自動的に進むので、乗り物に乗りこみつつ360度見回しポケモンを激写するのだ。

本作では、ポケモンを収めた写真に点数がつけられる。大きく写っていたり、レアなシチュエーションを収めていたり、ほかのポケモンが写り込んでいると点数があがるといった次第。一見すると写真技術が物を言いそうであるが、実は本作においては、それほど撮影技術は関係してこない。というのも、本作のルートはレール上で自動進行することに加え、撮影機材なども固定されている。画角やピント合わせなど、撮影における多くの要素が制限されている。撮影後に写真を加工できるが、やはり自由度は高くない。本作におけるうまい写真(=点数の高い写真)とは、レアなシチュエーションや珍しい表情を捉えたものがメインであり、うまい写真を撮ろうとすると単一的な試みになりやすい。


へたくそ写真選手権は、そうした仕様を逆手に取った試みだと考えられる。うまい写真だけでなく、あえて下手写真を撮ることを目的としたアクティビティだ。下手な写真を定義するのは難しいものの、SNS上ではすでに創造力あふれる“へたくそ写真”が投稿されている。ポケモンたちの半目写真や、腑抜けた表情を捉えた写真。ドアップ写真や見切れ写真など、それぞれアイデアと愛情がこもった写真が投稿されている。ポケモン情報局も、サンプルとなる“へたくそ写真”を投稿。画面端でアローラライチュウが砂場を滑っている、味わいのある写真だ。

https://twitter.com/555zzz315/status/1404623333497348096
https://twitter.com/hbiHtr3udjf/status/1404621146226532363


『New ポケモンスナップ』は、基本的にはうまい写真を撮ることを目指すゲーム。しかし撮れるうまい写真の幅はやや狭い。それを逆手にとり、へたくそ写真選手権を開催しているとすれば、かなり巧みなプロモーションであると言える。“へたくそ”という、ポケモン公式としてはやや攻めた単語のチョイスも見どころだろう。

『New ポケモンスナップ』は、Nintendo Switch向けに発売中。ハッシュタグ#Newポケモンスナップへたくそ写真選手権では、へたくそで愛らしいポケモンたちの写真を見ることができる。