Nintendo Switch『ルーンファクトリー5』にて「動的解像度変更」機能が追加される。フレームレート低下を防ぐ、やや珍しい試み


マーベラスは6月14日、『ルーンファクトリー5』のアップデートVer.1.0.4を配信開始した。更新データVer.1.0.4はバグ修正のほかに、動作を安定させるための調整がはかられている。そのひとつとして、「動的解像度変更」の機能が追加されているようだ。今回の更新データによる内容変更点は以下のとおり:

・パーフェクト隊員でユミナ湖に出現するモンスターの指名手配を受注した場合、屋外へ移動する際のロードが終わらなくなる不具合を修正しました。
・ゲーム起動時に白い画面のまま進行しない場合がある不具合を修正しました。
・セーブおよびロードする際、メモリーを不要に消費してしまう場合がある不具合を修正しました。
・アイテム合成の画面で、ボタン操作とタッチ操作が重なった場合に発生する不具合を修正しました。
・依頼「カブヘブンの出荷しよう」で金のカブの種がもらえない不具合を修正いたしました。
・パトロールマーク装着時に加算されるSeedポイントの値を修正しました。
・エキストラメイキング「経験値が入らなくなる」でスキル経験値も入らなくなる不具合を修正しました。
・キャンプメニューのオプションに「動的解像度変更」の機能を追加しました。オンに設定することで動作優先に切り替わります。
・処理軽減化のため、リグバース署から離れると建物横の畑を非表示にする対応を行いました。
・農場をお手伝いしているモンスターがキラメ木を伐採してしまう不具合を修正しました。
・ファームドラゴン風竜の畑に耕せないマスが発生する場合がある不具合を修正しました。
・町の住人からの個人依頼が発生しなくなる場合がある不具合を修正しました。
・その他不具合を修正いたしました。

大きな変更点としては、畑の非表示と動的解像度変更機能追加があげられる。『ルーンファクトリー5』では、発売以来フレームレートの低下がたびたび指摘されてきた。オブジェクトの少ない屋内などでは、30fps程度で動作するものの、動くものが多い屋外の場所だと、フレームレートが一気に低下。NPCが数多く集まる場所や、モンスターの巣などでは、しばしばカクつきが見られる仕様になっていた。ゲーム進行に大きく支障は出ないものの、動作が不安定であることを感じさせる現象のひとつであった。

そこでマーベラスは、フレームレート低下問題に着手。まずは、特に処理の重たいリグバース署隣の畑を非表示にする対応をしている。本作では、農耕をマメにしていれば必然的に畑に存在する農作物が多くなる。オブジェクトが多く、処理が重い場所でもあったわけだ。今回のアップデートによって、畑から離れることで畑が非表示になる。どの程度離れれば非表示になるかは定かではないが、少なくとも一定の距離を置くことで、畑による負荷の影響を受けなくなったことだろう。


そしてもうひとつ興味深い調整として、「動的解像度変更」機能追加があげられる。各ゲームタイトルにはそれぞれ基本となる解像度が設定されているが、状況によってその描写解像度を動的に変化させる手法が存在する。それが動的解像度である。たとえば、基本解像度を720pにしつつ、処理が重い場面では540pまで落とすといった次第。スペックがネックになりがちなNintendo Switchのタイトルで見かけられ、『ゼノブレイド2』や『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』、『ロケットリーグ』や『The Elder Scrolls V: Skyrim』といったタイトルで採用されていることが報告されている。意義としては、主にフレームレートを安定させる目的で使用されることが多い。


『ルーンファクトリー5』では、この動的解像度変更機能が、アップデートで追加された。キャンプメニューのオプションから設定できるほか、デフォルトではオンになっており、開発陣としてもこの機能を推奨していることがうかがえる。処理の重い場所では、動的解像度の変更がかかり、解像度を落としつつフレームレート低下を防ぐ狙いだろう。

実際にゲーム内の動的解像度変更のオンとオフを切り替えつつ、動作の変更を確認してみた。特に顕著に違いが見られたのは、ダンジョンである。序盤に訪れるささやきの森は、フレームレート低下が多く見られる場所。ここで動的解像度変更をオンにすることで、解像度の低下を確認できた。肝心のフレームレートについては、オフ時よりも低下が軽減されているように感じられる。著しい効果は期待できないかもしれないが、少なくとも機能しているように見える。

動的解像度変更のオフ時(解像度低下なしの設定)
動的解像度変更のオン時(解像度低下ありの設定)


ささやきの森はあくまで一例。もっと恩恵を感じられる場所もあるだろうし、逆に思ったよりも実感できない場所もあるだろう。とはいえ、選択肢として追加されたことは、ユーザーにとっては純粋にメリットだ。これまでアップデートによって解像度の向上がなされたNintendo Switchタイトルとしては、『フォートナイト』や『ウィッチャー3 ワイルドハント コンプリートエディション』など存在するが、アップデートでユーザーに解像度を選ばせるオプションを追加する例は珍しい。それほどマーベラスが、フレームレート低下と向き合っているということでもあるだろう。

度重なるアップデートにより、改善が進められている『ルーンファクトリー5』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。