イギリスのインディースタジオRobot Turtleは6月2日、現在開発中の一人称視点3Dパズルゲーム『Viewfinder』の新映像を公開した。同スタジオの開発者Matt Stark氏は自身のTwitterにて、本作のコンセプトをうかがえるゲームプレイ映像を投稿。その独創性あふれる内容から、大きな反響を呼んでいる。
『Viewfinder』にてプレイヤーが持つのは、一台のインスタントカメラ。まず、このカメラを用いては、ゲーム内の3D空間に広がる景色や建物などを撮影できる。撮影した写真はその場でプリントアウトされ、アイテムとして所持。インスタントカメラであるため、プレイヤーは現像されたスナップショットを、景色や建物を撮影した直後に入手できるわけだ。
そして、ここからが本作のユニークポイント。先述したとおり、プレイヤーはインスタントカメラを用いてゲーム内の風景を撮影できるわけであるが、そうして入手した写真には不思議な仕掛けが施されている。それは、写真内にうつる景色や建物、物体を実体化できるというもの。文章だけでは説明しづらいが、たとえば橋を撮影したとしよう。この時点で、現像されたフィルムにうつる橋は、写真という平面の空間に収められた物体だ。
しかし本作では、現像したフィルムを3D空間に重ね合わせることで、写真にうつされた建物や物体などを、実体のある3Dオブジェクトとして生成できる。前述した橋の例でいうと、写真内の橋は、実際にプレイヤーが渡れる、当たり判定のあるオブジェクトと化す。つまり本作では、写真にうつるあらゆる静止画(2D空間)を、奥行きのある3D空間へと変換することが可能。このユニークなシステムを利用することで、写真の中の世界に入ることもできる。
本作は一人称視点の3Dパズルゲームとして制作されており、ゲーム内では前述した奇想天外なシステムを駆使し、カメラで世界を再構築。その過程では、さまざまなパズルを解いていくことになるようだ。今回Matt Stark氏が投稿した新映像の中には、カメラを用いたゲームプレイのほか、カラフルな絵画の中に入っていく様子や、3Dオブジェクトと化した2Dレトロゲームの画面を眺めるシーンなども確認可能。同氏は本作を「頭が混乱するゲーム」と謳っており、型破りなアイデアと表現がたっぷり詰め込まれた作品となりそうだ。
『Viewfinder』を開発するのは、Matt Stark氏ただひとり。同氏はスコットランドの学生であり、暇がある時に本作の開発を進めているという。これまでにもTwitter上では開発における進捗状況が頻繁に報告されており、今回の新映像は、世界中の開発途上のインディーゲームを対象にアワードを選出する企画The PitchYaGame Awardsへの参加活動の一環として公開された。『Viewfinder』は、その独創性とビジュアル面のインパクトの高さからか、同イベントの中でも頭一つ抜けた注目度を誇っており、本稿執筆時点でTwitter上での新映像の再生回数は59.4万。また3.7万のいいねと9000件以上のリツイートを稼いでいる。
*本作にはゲーム開発者向けコンサルタントを務めるCallum Underwood氏も注目
なお、『Viewfinder』のリリース時期や対応プラットフォームについては、現時点で不明。今回の新映像の左上には、映像にうつる本作がプロトタイプであることや「NOT FINAL ART」の文言が記載されていることから、これからじっくり時間をかけて完成させていくのだろう。前述したとおり、Matt Stark氏はたびたび本作の開発状況を報告しているため、気になる方は同氏のTwitterをフォローしておくのもいいかもしれない。