「Unreal Engine 5」早期アクセスビルドが配信開始。新機能や効率化した新UIを試せる
Epic Gamesは5月26日、Unreal Engine 5(以下、UE5)の早期アクセスビルドをリリースした。Epic Games Launcherにて入手可能。現時点では、実制作に適したビルドではないものの、UE5の新機能に触れることができる。
今回Epic Gamesは、サンプルプロジェクト「古代の谷」を用いながら、UE5の早期アクセスビルドに含まれる新機能や、新たなUIを紹介した。新しいUIにはUE4と同じ機能も多く含まれているが、ユーザーがより使いやすいように新たなシステムも複数追加しているという。たとえば、ショートカットキーでコンテンツブラウザを呼び出したり、エディタのタブをサイドバーに折りたたむことが可能になったりといったシステムが披露された。
続いてUE5の新機能について。仮想化マイクロポリゴン・ジオメトリシステム「Nanite」では、映画品質の数百万ポリゴンのソースアートを直接インポート可能。なお、高品質アセットを制作しているQuixelがEpic Gamesの傘下に入ったことで、ユーザーは同社のMegascansライブラリ全体を無料で使用できる。また、Megascansアセット用ブラウザの「Bridge」は、UE5のUIに統合された。グローバルイルミネーションソリューション「Lumen」では、動的でリアルなシーンの作成が可能に。直接ライティングやジオメトリの変更に対して、間接光がその場で適応して更新される。
UE5では、オープンワールド作成を手早く簡単におこなえる機能も用意される。まず「World Partition」システムは、ワールドを自動的にグリッドに分割し、必要なセルのみをストリーミングする。「One File Per Actor」システムでは、チーム内での共同作業が簡単になる。マップでのアクタの変更がマップファイル単位ではなく、アクタ単位でトラッキングされるため、同じマップ内の異なるアクタを同時に編集可能とのこと。そして、ひとつのワールドについて複数のバリエーションを作成できる「Data Layers」も利用可能だ。
このほか、アニメーション向けのツールセットを拡張し強化。実際の環境の中で詳細なキャラクターを制作できる。またオーディオ作成についても、サウンドソースからオーディオDSPグラフでの生成と、そのフルコントロールを提供する「MetaSounds」が用意される。
Unreal Engine 5の早期アクセスビルドは、Epic Games Launcherを通じて配付中。公式サイトでは、早期アクセス向けオンラインラーニングコースや、初心者向けクイックスタートコースも公開されているため、あわせてチェックされたい。Epic GamesはこれからUE5の開発をさらに進め、メモリやパフォーマンス、品質の改善、さらなる新機能を追加予定。フルリリースは2022年初頭を計画している。