『サイバーパンク2077』PS4ダウンロード版の配信再開は「SIEの判断待ち」。CD PROJEKT Groupトップがコメント

CD PROJEKT Groupは5月25日、株主総会を実施した。その質疑応答で、傘下のCD PROJEKT REDが手がけた『サイバーパンク2077』のPlayStation 4版が、いまもPlayStation Storeから取り下げられたままとなっていることについて言及している。

CD PROJEKT Groupは5月25日、株主総会を実施した。その質疑応答で、傘下のCD PROJEKT REDが手がけた『サイバーパンク2077』のPlayStation 4版が、いまもPlayStation Storeから取り下げられたままとなっていることについて言及している。

『サイバーパンク2077』は、PC/PS4/Xbox One向けに昨年12月10日に発売された。2020年末までに1370万本以上を売り上げる一方で、プレイヤーはバグの多さや、特にPS4/Xbox One本体でのパフォーマンスの低さを指摘。発売前には、PCやPS5/Xbox Series X上で動作する様子しか披露していなかったこともあり、大きな批判につながった。
 

 
結果的に、CD PROJEKT REDはファンに謝罪することに。本作を改善するパッチの配信を約束すると同時に、現状のPS4/Xbox One版に満足できないプレイヤーには返金対応を実施。さらに、PlayStation StoreからPS4ダウンロード版が一時的に取り下げられる異例の事態となった。なおXbox One版については、「ゲームのアップデートが実施されるまで、Xbox Oneでのご利用にはパフォーマンス上の不具合が生じる可能性があります」との注意書きがストアに掲載。こちらも異例ではあるが、販売は継続している。

PlayStation Storeからの一時取り下げは、CD PROJEKT REDがSIEと協議した上で決定したとのこと。当時CD PROJEKT REDは、できるだけ早く配信再開できるよう努めるとコメントしていたが、5か月余りが経過した今も配信は再開していない。
 

*該当部分は53分40秒あたり。

 
今回の株主総会の質疑応答では、PS4版の配信再開についての質問が飛んだ。これに対しCD PROJEKT Group CEOのAdam Kiciński氏は、「残念ながら、本件に関する新たな情報はない」とコメント。パッチを配信するたびに本作は徐々に改善し、SIEとも協議を続けているが、配信再開するかどうかの決定権はSIEにあるとしている。そのためCD PROJEKT REDとしては、配信再開を認めるというSIEからの連絡を待っている状態なのだという。

『サイバーパンク2077』に向けては、これまでにパッチ・ホットフィックスを複数回にわたって配信。バグ修正や安定性の改善、バランス調整のほか、コンソール版のパフォーマンスの改善もおこなわれている。現時点では、4月28日配信のホットフィックス1.22が最新アップデートとなるが、今後もさらなる配信が計画されている。

なお、海外テックメディアDigital Foundryによるパッチ1.2時点での検証によると、コンソール版のパフォーマンスについては、PS4 Pro以外ではわずかな改善しか見られないとのこと。まだプレイを推奨できる状態ではなく、将来のパッチでのさらなる改善への期待を述べている。SIEは、こうした改善状況を見ながら、PS4版の配信再開の可否を判断しているのかもしれない。
 

 
本作に関連しては、米国内にてクラスアクション制度に基づく集団訴訟が投資家により提起されている。コンソール版のパフォーマンスを隠して発売したことが、投資家を欺いたと指摘されているのだ。今年5月18日には、4件の同様の集団訴訟が統合され、ひとつの大きな集団訴訟として扱われる見込みであることが、CD PROJEKT Groupから報告。同社は争う方針を示しているが、この訴訟の行方も気になるところである。

『サイバーパンク2077』は、PC/PS4/Xbox One向けに販売中。PS4ダウンロード版は配信停止中だが、パッケージ版は入手可能だ。また今年後半には、PS5/Xbox Series X|S版のリリースも計画されている

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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